2頭軸で馬券を買ってる初心者がこれから心がけるべきことは?【じゃいの人生は最高のギャンブルだ】第125回
で、本題の方ですが、買い方に関しては何が正しいということはないと考えます。券種に関してもどれがいいというのはないでしょう。あるとしたらあくまで数学的な観点での話になります。 仮に毎回1点買いと毎回100点買いをする人がいたとします。どっちが勝てるでしょう? まず、この時点での正解はありません。よく言われるのは、100点買いをするということは99点のハズレを買っているということ。確かにその理論は当たってます。ただ、だから100点買いの方が負けるというのは間違っています。 例を出しましょう。 0から100のパネルがあるとします。その中に1つだけ当たりがあります。当たると101枚の金貨が貰えます。Aさんはそのパネルの中から1つだけ選びます。Bさんは残りの100個を選びます。それを繰り返し行います。Aさんは101分の1の確率で当たります。Bさんは101分の100の確率で当たります。ここまで考えたらBさんが必ず勝つ!と思います。100個も選べてズルい!不公平だ!と。 しかし、1つのパネルを選ぶのに1枚の金貨が必要です。つまり、Aさんは外れても金貨を1枚しか失いません。ところが、Bさんは毎回100枚の金貨を使います。Aさんが当たりを引いた場合、Bさんは100枚の金貨を失います。 それを踏まえるとどっちがお得でしょうか? 結果、確率的に同じになります。どちらも最終的には得も損もしない。数学的にはそのような結果になります。 では、これがパネルではなく、101頭の馬が走り、その1着を当てるというゲームならどうでしょう? パネルの場合、すべてのパネルが101分の1の確率で当たりましたが、馬の場合は馬の実力が加わりますから、それぞれ確率は異なります。 この場合は予想の精度で結果が変わってくるでしょう。もしもAさん、Bさんのどちらか一方だけ競走馬の情報を持っていた場合は、情報を持っている方が勝てる可能性は上がります。両方ともに情報を持っていた場合は先に選んだ方が勝ちやすいでしょう。 また、この例の場合はすべてが101倍ですが、実際の競馬はそれぞれにオッズが異なります。ちょっと難しくて頭が痛くなった方もいるかもしれませんが、イメージだけでも伝われば幸いです。 結論から言えば、何点買った方がということではなく、あくまでも予想の精度と期待値になります。 9月3日に盛岡競馬で行われた不来方賞は12頭立てでしたが、僕の中では来る馬は3頭しかいないと予想しました。結果は3連単を4点買って、12.2倍の払い戻しでした。 逆に100点買って10000倍みたいなレースもあります。 予想により、来ない馬の見極め、人気はない馬でも来る可能性がある馬の見極め、人気だけど飛ぶ可能性が高い馬の見極めなど、予想の精度により点数を変えていくことがいいのかなと思います。現状での僕の個人的な意見です。 ただ、これが正しいというわけではなく、各々が正しいと思う買い方で馬券を買えばいいと思います。大事なのは、独自の信念を持って買うことだと考えます。 ☆じゃいさんに相談したい悩み事を募集します! ペンネーム・性別、相談に必要な情報(年齢や職業など)があればそれも明記し、以下アドレスまで相談内容をメールでお送りください。じゃいさんが「ギャンブル的思考」でアドバイスします! 【jay_sodan@shueisha.co.jp】まで! じゃい1972年生まれ、神奈川県出身。97年にお笑いトリオ「インスタントジョンソン」を結成し、ネタ作りを担当。芸能界随一のギャンブラーとして知られ、過去には9370万円の馬券を的中させたことも。『稼ぐメンタル ギャンブルで勝ち続ける「ブレない」心の作り方』(KADOKAWA)など著書も多数。 構成・撮影/キンマサタカ