<没後10年>高倉健「これが美味かったんだよ」 17年寄り添ったパートナー明かす、『鉄道員』で出会い愛した味
2024年3月31日、『鉄道員』のモデル駅が廃駅に
映画公開から25年目。 2024年3月31日、映画では幌舞駅となっていた幾寅駅が廃駅になりました。 まるで『鉄道員』の物語をなぞるかのような現実です。 映画では、高倉扮する駅長の佐藤乙松に一本の電話が入ります。廃線の期日が予定より早まることを知らせるものでした。乙松が、思い出を次々フラッシュバックさせていると、降り積もる雪にすっぽりと覆われた幌舞駅に、高校の制服姿の少女が訪ねてきます。 鉄道クラブに入っているというその少女は、乙松が蒐集していた鉄道グッズを嬉々として手にしていましたが、ふと遠くを見つめ、幌舞線がなくなるさみしさを乙松に問うのです。 「後悔はしてねえよ。(深い吐息)どうすることもできないだけだ」と、呟いた駅長高倉の声がふと蘇りました。
高倉健から引き継いだ思い出の味
廃駅の報道に触れた私は、この機会に改めて佐藤圭子さんに感謝をお伝えしたいと、教えていただいたいもだんごの進化形を考えました。 題して“ぽっぽやだんご”。 中くらいのじゃがいも1個が1人分。皮を良く洗い、まるのまま水から茹でます(時短が必要なときは、皮を剥いて4等分ほどに切って電子レンジで)。茹で上がったら、熱いうちに皮を剥いて、ボールの中でマッシャーで潰し滑らかにします。 ティースプーン1杯程度の片栗粉を振り入れ、手で全体を混ぜ合わせて一口サイズ、6~7個ほどに丸めていきます。片栗粉を薄く纏わせて、有塩バターで熱々に。まん丸のいもだんごに、丁寧に焼き色をつけていくひとときが、ほっこりとしたご馳走。 そのままでも、甘醤油のとろみ餡をかけても。 2024年初夏、幾寅で、婦人会の皆様に召し上がっていただいたとき、「あっ、じゃがいもの甘みが残ってる」と喜んでいただけました。 いもだんご、そして、ぽっぽやだんごは、高倉から引き継いだ私の北海道の思い出メニューです。
小田貴月