「ひきこもっていて、出てきたら迷惑かけるんだね」岸田総理襲撃事件で不適切取り調べ 検事の発言が映像に
去年4月、当時の岸田総理大臣に向けて爆発物が投げこまれた事件で、検察が被告の男に不適切な取り調べをした問題で「ひきこもっていて、出てきたら迷惑かけるんだね」などの検事の発言が、映像で確認できたことが分かりました。 無職の木村隆二被告(25)は去年4月、和歌山市に来ていた岸田文雄総理(当時)らに向けてパイプ爆弾を投げ殺害しようとした罪などに問われています。 この事件をめぐる取り調べで去年5月、和歌山地検の30代男性検事が木村被告が自宅にひきこもる生活をしていたことに触れ「かわいそうな木村さん」などと人格を否定するような発言を複数回していたことが分かり、木村被告の弁護士は最高検に抗議文を送っていました。 関係者によりますと、最高検は検事の取調べが不適切だったと認定しています。 録画映像で取り調べの様子を確認した木村被告の弁護士が6日、取材に応じました。 弁護士によりますと、取り調べで検事が、目を閉じ黙秘している木村被告に対し「2本爆弾を持っていたけれども、2本目も使うつもりはありましたか?あったら目を開けてください」と問いかけたあと、しばらくして「(使うつもりが)なかったら目を開けてください」などというやりとりが繰り返されていたと明らかにしました。 他にも「ひきこもっていて出てきたら迷惑かけるんだね」「我々は法律のプロで、我々が大リーグだとすれば、あなたは小学校の低学年レベル」などと検事が発言していたことを確認したということです。 弁護士はこの取り調べについて黙秘権の侵害で、人格攻撃や誹謗中傷にあたると指摘し「今回の件は検事個人の資質によるところもあると思うが、取り調べに頼り過ぎな捜査方針を改めなければずっと続いていく」と述べました。
ABCテレビ