元メダリストの「裏金上位ランカー」堀井学議員を刑事告発 これがデタラメ報告書の写真だ
◆リレハンメル五輪銅メダリストから「裏金上位ランカー」へ
堀井学議員は、スピードスケートでリレハンメル五輪、長野五輪、ソルトレークシティ五輪の3大会に出場し、銅メダルを獲得したこともある。北海道道議会議員を経て2012年に衆院議員に初当選、岸田第二次改造内閣で内閣府副大臣に就任した。しかし一連の派閥のパーティ券裏金事件を受けて23年12月に辞任。自民党内部で1年間の役職停止処分を受けている。 堀井議員を刑事告発した上脇博之神戸学院大学教授は次のように解説する。 「堀井議員も他の安倍派議員と同じように秘書の責任にしています。しかし、安倍派の所属議員側がキックバックされた寄附金収入を一斉に収支報告書に記載しなかったのは、明らかに組織的ですから、議員が知らないはずはありませんし、秘書の独断で不記載にすることなど考えられません。堀井議員にはルールを遵守するスポーツマンシップがあったはずです。安倍派は平気で主権者国民を裏切り、議員に遵法精神を喪失させるほど腐敗した集団なんでしょう」
◆「東京地検の不起訴で裏金事件を終わらせない」と上脇教授
派閥からのキックバックの還流という裏金を受け取っていた議員の中で、世耕弘成参議院議員と萩生田光一衆議院議員ら8人全員を、東京地検は不起訴とした。新たに刑事告発された堀井議員も不起訴となる可能性があるのだろうか。「裏金議員」の告発を続けてきた上脇教授に理由と今後の見通しを聞いた。 「私の告発は不起訴にされてしまいましたが、世耕議員の資金管理団体の会計責任者と萩生田議員の秘書の不起訴理由はいずれも“起訴猶予”だったと報道されています。ということは、東京地検特捜部は規正法違反の証拠があったのに、あえて起訴したかったわけです。私は東京検察審査会に“起訴相当”議決を求めて審査申立てをする予定です。 特捜部は他の議員の会計責任者らについても“起訴猶予”にしている可能性が高いので、まだ刑事告発していない安倍派の他の議員と会計責任者らについても、予定通り順次告発します。裏金事件をこのまま終わらせる気はありません。追及し続けます」 ■ 鈴木祐太(すずきゆうた) 1981年香川県で生まれ。岡山、大阪で育つ。大学在学中から貧困状態にある子どもたち、特に被差別部落や在日外国人の子どもたちへの支援に関わり、小学校講師、派遣社員などを経てジャーナリズム活動を始める。フロントラインプレス所属。
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