侍ジャパン・井端監督、台湾との負けなし対決制し3連勝 辰己の3番起用貫き、貴重な適時二塁打【プレミア12】
◇16日 「ラグザス presents 第3回 プレミア12」1次リーグB組 日本3―1台湾(台湾・台北ドーム) B組では唯一負けなしで2連勝同士の対決。台北ドームを埋め尽くした現地ファンの大歓声を背に食い下がる台湾を何とか振り切り、3連勝を手中に収めたのは侍ジャパンの方だった。 「厳しい戦いになるのは予想していた。先に点を取れたのと日本の投手陣が踏ん張ってくれたので勝てたのかなと思います」。井端監督は大会前から見せていた厳しい表情を少しだけ和らげた。 終盤までどっちに転ぶか分からない展開だった。1回に敵失から好機を広げて森下の犠飛で1点を先制。泥くさくもノーヒットで初回から貴重な1点をもぎ取ると、3回には辰己の適時二塁打で、4回には源田のソロで1点ずつ加えて3点差。ただ7回に1点を返されると不穏な空気が会場を包んだ。 台湾がチャンスをつくれば、ドーム全体が揺れる完全アウェーな状態。井端監督も甲子園での阪神戦を例に挙げて完全アウェーは想定していた。「台湾の応援がものすごかったので思うように試合運びできなかった。それでも選手がよく頑張ってくれた」と浮足立つことなく冷静に戦った選手たちを手放しでたたえた。 貫いた采配も実った。1―0の3回2死三塁で打席には今大会まだ無安打の3番・辰己。1ストライクから2球目の145キロ直球を逆方向へ引っ張ると打球は左翼手の頭を越え、今大会初安打が貴重な適時二塁打となった。 初戦では先制の犠飛を放ったが7打数無安打と今季最多安打のタイトルを獲得したバットマンに快音が出なかった。それでも宮崎合宿中の練習試合から一貫して3番で起用してきたキーマンの1人。指揮官は15日の試合後に「あしたも3番で使うからな」と本人に直接伝え、信頼を寄せながらも奮起を促していた。 辰己も「3番を打たしてくれと言ってある」と3番起用は自らの直訴だったことを明かし、「井端さんの顔に泥を塗るようなことは僕はしない。スーパーラウンド(2次リーグ)でしっかり大暴れできるような調整ができたら」と”辰己節”をさく裂させた。 負けなしの3連勝とは言え、まだ2次リーグ進出が決まったわけではない。17日のキューバ戦、18日のドミニカ共和国戦でもしっかり弾みをつけ、勝負の東京ドームに乗り込む。
中日スポーツ