「(井上尚弥戦は)楽しみにしてもらえれば」東京ドームで観戦した中谷潤人が語る、“井上の特別な能力”「ネリは何もできない状況だった」
井上尚弥がルイス・ネリを6回TKOで下した5月6日、東京ドーム。一戦を、リングサイドから特別な思いで見つめる男がいた。中谷潤人、日本で最も「井上戦を見たい」と熱望される人である。井上ーネリ戦をどう見たのか、そして感じた“モンスター”の凄さとは――。中谷本人に聞いた。《NumberWebインタビュー/全2回の初回》 【衝撃写真】「ネリの顔が大変なことに…」井上尚弥のエグい右でネリの顔面がゆがんだ決定的瞬間。「ネリがグシャリと崩れ落ちた」衝撃KOの連続写真も一気に見る(全50枚) それはこれまで練習中に聞いたことのない名前だった。 「イノウエと闘うときには、こういうことも必要になってくるからな」 2024年2月のバンタム級初戦に向けた米ロサンゼルス合宿。中谷潤人はトレーナーのルディ・エルナンデスの言葉に耳を傾けながら、奮い立ってくるのが分かった。「イノウエ」とは井上尚弥を指していたからだ。 「イノウエとやるんだ! ということではなく、イノウエとやるときには、という想定の話だったんですけど、気持ちが昂ぶってくるのを感じました。しっかり習得して、技術を身につけて上がっていかないと、って思いましたね」 バンタム級に上げる中谷。スーパーバンタム級で4団体統一王者の井上。その差は1階級。将来の現実的なターゲットとして、視界に入った瞬間だった。
拡大する「井上戦が見たい」という期待感
中谷はバンタム級初戦で、ノニト・ドネア(フィリピン)を破ったWBC世界王者アレハンドロ・サンティアゴ(メキシコ)に6回TKO勝ち。過去36戦でKO負けのなかった王者を強烈な左ストレートで倒し、立ち上がってきたサンティアゴを連打で仕留めて3階級制覇を成し遂げた。 圧巻のTKO勝ちで試合を終えると、ファンや周囲から「井上戦が見たい」という声と期待感が伝わってきた。 「バンタム級の1試合が終わって、そういう声を多くいただきました。やっぱり階級が近くなってきたというのもあるし、(階級を)上げるスピード感もある。今回上げてから、よく声をもらうなと感じますね」 WBO世界フライ級王座を2度の防衛で返上し、WBO世界スーパーフライ級王座にいたっては初防衛を済ますとバンタム級へ。速いスピードで階級を上げている。身長172センチの中谷は「バンタム級という意識をなくせば(ウエートが)増えていっちゃう」と言うほどで、今後も階級を上げていくことは必至。いずれ、井上と同じ階級になる日も来るだろう。 「井上選手は凄い試合をしてきているので、僕も(周囲から)名前を出してもらえるということは、いい試合をできているのかな、と思える。周りの人の気持ち、思いがあれば、おのずと道は開けてくると思う。そこが(最終的な)目標っていうわけではないけど、大きな一つのビッグマッチとして楽しみにしてもらえればなと思っています」
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