片岡愛之助&山西惇 芸術選奨文部科学大臣賞・演劇部門を受賞
歌舞伎俳優の片岡愛之助さん(51)と俳優の山西惇さん(61)が、28日に発表された令和5年度(第74回)芸術選奨の演劇部門において、文部科学大臣賞を受賞しました。 【画像】孫悟空を演じた片岡愛之助さん 芸術選奨は、文化庁が毎年度、芸術各分野で優れた業績をあげた人物などを表彰するもので、1950年から始まりました。演劇や映画、音楽など12部門あり、大臣賞と新人賞には原則それぞれ2人以内が選出されます。
■演劇部門大臣賞 贈賞理由
【片岡愛之助さん 贈賞理由】 大阪生まれ、大阪育ちの生粋の上方役者として貴重な存在。令和5年は当たり役『夏祭浪花鑑(なつまつりなにわかがみ)』の団七九郎兵衛(だんしちくろべえ)を毛穴の一つ一つから大坂の匂いが噴き出すように演じ、市井の片隅で必死に男を磨いて生きる男の切なさにまで踏み込む演技を見せた。『廓文章(くるわぶんしょう)』の伊左衛門(いざえもん)では上方和事の最高峰の役どころを絶妙のやわらかみとおかしみで体現。『三人吉三巴白浪(さんにんきちさともえのしらなみ)』のお坊吉三(きちさ)、『弁天娘女男白浪(べんてんむすめめおのしらなみ)』の弁天小僧菊之助などの江戸歌舞伎、さらには新作歌舞伎まで幅広く、現代の歌舞伎界を牽引(けんいん)する一人と言える。
【山西惇さん 贈賞理由】 演じる人物の幅の広さに目を見張る。令和5年、『エンジェルス・イン・アメリカ』では頑として同性愛者だと認めない憎々しい大物弁護士を、豪放磊落(ごうほうらいらく)な頑固者と子供のような無邪気さ、その両面を合わせ持つ独特な人物像に説得力を持って仕立ててみせた。また『闇に咲く花』では一転して繊細で内気な神主を緻密につくりこんで観客の共感をさらった。円熟味が増す近年、今後も唯一無二の人物像を数多く観客に届けてくれるだろう。