EVは覇権争いに 米「中国EVに100%の関税を」絶対に阻止したい中国の“標準化”
世界に進出する中国のEVに対して、アメリカでは8月から関税が100%(現在の4倍)、EUでは7月から最大およそ48%(現在の4.8倍)の関税をかけるという。 アメリカの中国EVに対するスタンスについて、アメリカ現代政治外交が専門の前嶋和弘教授は「アメリカ国内ではEVはまだそんなに多くない。しかし、中国車がたくさん入ってくると、そちらがスタンダードになってしまう。だから関税を100%にして、最初から入れないという姿勢」と指摘。 アメリカ国内では、EVに対しての考え方でも「分断」が垣間見えるという。 「EVが気候変動対策にいいと思っている人がリベラル派には結構いて、ニューヨークやカリフォルニアには電池ステーションが増えてきている。また、両州では2030年代にハイブリッド車を含むガソリン車は販売禁止となる。一方で、アメリカ南部・中西部では旧来のピックアップトラックがまだ売れているなど、地域差がある。」 さらにEVは2024年の大統領選挙の争点にもなっている。 前嶋教授は「トランプ氏は『そもそも気候変動もEVも中国の罠であり、世界最大のエネルギー大国であるアメリカは今後も化石燃料で戦った方がいい』と主張しており、共和党支持者の半分以上が気候変動懐疑論者だ。一方、民主党は『気候変動は深刻であり、今すぐ対策しなければ』と考えている人が多い。バイデン大統領も今は過渡期だがEVが新しいアメリカの産業を作っていくとPRしている。ただしそこに中国は入り込ませたくない」と説明した。 (『ABEMAヒルズ』より)