松田岳×新正俊インタビュー 唯一無二のエンタメを手掛けるBSPの新作『松陰狂詩曲』
■BSPならではのエンタメをしっかり届けたい
――歴史物の面白さ、難しさはどこに感じますか? 新 難しいのは、資料がのこっているが故に、見てくださる方もイメージを持っていることです。原作のキャラクター像の中で作っていく2.5次元舞台にちょっと似ている気もします。2.5次元舞台やミュージカル・ストレートの舞台など、いろいろやっているからこそ、難しさも面白く感じます。 松田 冒頭で話したように、松陰先生の言葉が原文のまま出てくるところもあるので、「わからない」となってしまう可能性もある。でも、ノンフィクションをやりたいわけじゃなく、あくまでお客様に楽しんでいただくためのエンタメ作品です。役者としては、エンタメの中にいかに生身の人間の言葉や動きを乗せていけるかが大事なのかなと。わからなくても、僕らのエネルギーを通して歴史を楽しんでいただけると思います。 ――BSP作品、大塚さんの脚本や演出の魅力を教えてください。 松田 いろいろな作品に出演させていただきますが、唯一無二だと思います。先ほどロープの話が出ましたが、アイコンやテーマを身体表現で見せたり、アイテムを使って表したり。噺家さんが扇子で表現しているようなメージです。BSPに受け継がれる歴史になってきている気がしますし、自分たちの武器の1つといっていい気がします。 新 BSPといえば群読や全員で呼吸を合わせるシーン。録音したんじゃないかと思うほどの群読は大塚さん演出の魅力だと思います。僕は10代からBSPに出演していますが、他の作品との違いはダンスとアクションの多さ。今回もBSPならではの魅力をしっかり出していきたいです。 ――W主演として、どんなカンパニーを目指したいですか? 新 いつもと変わらず、みんなでいい作品を作りたいです。率先してお芝居やいろいろなことに取り組み、背中で見せられたらと思います。 松田 松陰先生は「みんなで一緒に考えよう」というのを大事にしていた方なので、僕も大所帯の一人ひとりとコミュニケーションをとり、みんなが楽しめる稽古にできたら。今まですごくみんなに甘えていましたが、今回はみんなのことをしっかり見ようと思いました。 新 僕ら二人とも雰囲気がふわっとしているじゃないですか。今回もみんなが支えてくれる気がします。 松田 今までそれに甘えていたから、今回は俺が支える! 「わからないことは先生に聞く」ってなるくらい支えて、みんなに甘えてほしいと思います。