AI以外にも2025年に半導体チップ株が値上がりする理由がある…バンク・オブ・アメリカが予測(海外)
半導体株は投資家の関心がシフトする前に、AIブームによって2025年上半期は上昇基調を保つとバンク・オブ・アメリカのアナリストは予測している。 世界的な経済回復が自動車の生産を押し上げ、在庫が補充されることで、自動車および産業用半導体メーカー株への関心が高まるという。 「2025年は2つの異なるトレンドの年になるだろう」とアナリストは述べている。 バンク・オブ・アメリカ(Bank of America:バンカメ)は、2025年も半導体株はAI(人工知能)への熱狂から引き続き上昇するだろうが、年内には半導体株の上昇を促す他のトレンドが出現するだろうと述べた。 ヴィヴェック・アーリア(Vivek Arya)率いる同行のアナリストチームは、AI関連の半導体株が急騰を続ける中、2025年後半には、これまで注目度が低かった自動車や産業用半導体メーカー株にも上昇の波が広がると予想している。 「2025年は2つの異なるトレンドの年になると見ている」とチームは2024年12月16日のレポートに記している。 同年上半期については、AIへの関心が引き続き高まることや、エヌビディア(Nvidia)が新型GPU「ブラックウェル(Blackwell)」を発表することを背景に、AI関連半導体株が勢いを維持するとチームは考えている。 ブラックウェルは、現行の「ホッパー(Hopper)」を上回る性能向上が期待されており、AIモデルのトレーニングや運用においてますます強力なツールを求める企業から高い注目を集めている。 グーグル(Google)やメタ(Meta)といったアメリカのクラウド顧客からのチップに対する旺盛な需要が、この上昇基調を支え続けると、アナリストは予想している。しかし、ブラックウェルチップは量産体制の問題によって初期出荷が遅れたため、納品の不確実性が依然としてリスク要因として残っている。 「AIトレーニングやモデルのスケーリング(拡張)によって推進されるAIへの投資は今後も続き、クラウド顧客によるブラックウェルの導入加速がその動きをさらに強化すると考えている」 しかし、2025年下半期になると、AI関連株がピークに達し、多額の投資に対するリターンへの懸念が高まる可能性があることから、投資家の関心がシフトするとアナリストは見込んでおり、次のように述べている。 「AIには引き続き期待している。少なくとも2025年下半期までは。その頃にはAI関連株の高騰がピークを迎えると思われる。2年連続で年間成長率100%以上を超えたAIシリコン(AIの運用や訓練に特化したチップ)市場については、2026年には前年の成長率を上回るのが困難になるとの懸念が、投資家の間で高まるだろう」
Kelly Cloonan