部下に「パワハラ」と言われるのが怖い! 部下に臆することなく指導するための3つのポイントとは?
マネジャーになると、部下を指導しなければならない場面は往々にして出てきます。しかし、現代では、パワハラを意識しすぎた結果「うまく部下に指導ができない」「マネジメントがしづらい」と悩む上司も少なくありません。では、指導する際にどんなことに気をつければ、部下にパワハラと言われずに指導ができるのでしょうか。『それ、パワハラですよ?』の著者で弁護士である梅澤康二さんと、本書でマンガを担当した漫画家の若林杏樹さん、元エリート幹部自衛官でひどいパワハラに苦しんだ経験を持つ会社員インフルエンサーのわびさんの3人で、座談会を行いました。部下への指導の際に上司が気をつけるべきことや、指導の基準などについて紹介します。(文/神代裕子、ダイヤモンド社書籍オンライン編集部) 【この記事の画像を見る】 ● 部下に指導するときに気をつけたい3つのポイント ――パワハラが指摘されやすい現代において、「部下に指導をしづらい」という声も聞きます。今、企業で管理職をしているわびさんが気をつけていることはありますか? わび:「相手の気持ちを考えることが大事」だと思っています。相手が気持ちよくないと感じる言い方は、指導する上でもしてはいけないと思い、気をつけながら話しています。 また、どんなことがパワハラやセクハラになるのか、知識をきちんと学ぶことも大事ですよね。そういう意味では、この『それ、パワハラですよ?』は法的な根拠も入っていながら非常に読みやすいつくりになっているので、管理職にとって非常にありがたいと感じます。こういった本を読んで自分を守る術を身につけるのも、一つの手段ではないでしょうか。 梅澤康二(以下、梅澤): わびさんがおっしゃる通り、知識は大事です。本書にも記載していますが、まずは基本構造として、「会社の雇用契約のもとでは、原則として上司は部下に一方的な指示や命令ができる」のです。 ただし、命令に関する法的な指針はあります。①業務に関連性があるか②業務上に必要性か③その指示の仕方や対応が常識的か。この3つがポイントになりますし、一番わかりやすいと思います。 この3つのポイントがしっかり押さえられていて、部下にきちんと説明できるのであれば自信を持って指導すれば良いと思いますよ。 ――業務との関連性、必要性を説明できるかどうかが鍵になるんですね。 梅澤:はい。後づけでもいいので、きちんと説明できることは非常に大事です。最近は、報道などで「相手が不快や不安に感じるとハラスメントになる」と言われることもありますが、指導する側もその感覚でいるとかなり難しいと思います。なぜなら、雇用は本来、「上から下に一方的に指示命令するのが本質」だからです。 とはいえ、命令される側からすると不満や不快感を持つことはありえます。そのため、「ハラスメントだ!」などと言われたときには、「こういう理由からこの形で指示しているので、ハラスメントではありません」とロジカルに説明できるといいと思います。 もし厳しい指導をしなければならない場合は、なぜ厳しい指導が必要かを、先ほど挙げた指針をもとに整理をして伝えるのが理想的ではあります。