令和7年度予算案の防衛費は、前年度比9・7％増で過去最大の8兆4748億円となった。4年に策定した防衛力整備計画の5年間で防衛力の抜本的強化に必要な事業費43兆5千億円のうち、5～7年度で62％を積み上げた。ただ、円安などで主に輸入装備品の単価が上がり、計画数量を調達できない恐れもある。今後、防衛費の更なる増額を求める声が強くなる可能性がある。 7年度予算案では、石破茂首相肝いりでまとめた基本方針に沿って、自衛官の処遇改善に4097億円を付けた。 また、反撃能力（敵基地攻撃能力）となる長射程ミサイルの量産に着手し、12式地対艦誘導弾の射程を延長する「能力向上型」（艦艇発射型）の取得に168億円を計上した。「スタンドオフ防衛能力」に不可欠な、複数の小型衛星で目標を捕捉する「衛星コンステレーション」の整備費2832億円も盛り込んだ。 5年度決算では1300億円程度の使い残しがあった。7年度予算案では単価の精査や一括調達、長期契約など効率化・合理化によって2653億円の縮減を見込む。
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