中国株、米選挙後2-3カ月で上昇の見通し―ゴールドマン
(ブルームバーグ): ゴールドマン・サックス・グループのストラテジストらは、米大統領選後2-3カ月で中国株が上昇すると予想している。ただ、共和党候補のトランプ前大統領が勝利した場合、条件反射的な反応があるかもしれないと警告した。
同社トレーディングデスクは29日付のリポートで「トランプ・リスクの再評価が行われた過去2週間でも中国株は売り込まれず、その底堅さを示唆した。選挙後、中国リスクに対する市場心理は強気となる可能性が高い」との見方を示した。
世界の投資家は選挙が近づくにつれ、トランプ氏が勝利した場合に貿易戦争が再燃するとの懸念からリスク資産を回避する動きを強め、不確実性の高まりに備えている。だが、ゴールドマンのリポートによると、中国政府が相次ぎ打ち出した経済刺激策でいわゆる「政策プット」が生まれ、中国株の投資家を下落から守っている。
ゴールドマンのストラテジストは、「全体的に見て、政策による下支えは強力かつ継続的で、特にトランプ氏が勝利した場合にその効果が強まるだろう」としている。
ブルームバーグがまとめたデータによると、中国本土株の指標であるCSI300指数は9月の安値から約23%上昇し、過去3カ月間で世界で最もパフォーマンスが良かった主要指数の一つとなった。
トランプ氏が勝利した場合、約1年の時間軸で人民元安に賭けることをゴールドマンのストラテジストは推奨している。米国が中国に対する関税を発表すれば元安が進み、利益を得られるとみているためだ。一方、ハリス氏が勝利した場合には、短期で元の反発に賭けるべきとしている。
人民元トレーダーにとって主に考慮すべき点は、中国人民銀行(中央銀行)が為替の急激な変動に歯止めをかけるかどうかだ。ゴールドマンは、人民元が今年1ドル=7.35元レベルに下落した場合、同行が通貨防衛に出るとみている。オンショア人民元は現在、1ドル=7.13元前後で取引されている。