「『彼ら』がやったことなんだから」…被災から1年・能登の銭湯店主が地域交流で見つめた「復興の重み」
次の春になるころには
――発災から1年弱を迎える今、ボランティアに興味を持ったり、何か力になりたいと考えている方々にメッセージをいただけますか。 この夏ごろに僕がよく言っていたのは、「評価していただいたり、気に掛け続けてもらうことが一番大切だ」ということです。 たとえば、各地でコミュニティ作りに尽力する方が結構いらっしゃるので、そういうところを見つけだして評価して、周りの方に伝えていただく。これが何より、現地の外にいる方でもアクセスしやすいことだと思っています。 あるいは、地域のオンラインショップで品物を購入する支援も、寄付以外では有効ですよね。 それ以外の人的なご支援については、ごめんなさい、もう少し待ってください。冬が明けて、次の春になるころには、もう少し状況が良くなってくると思います。そのころにぜひ現地に足を運んでいただき、現場の状況を見て、可能であれば滞在してもらいたいです。 あみだ湯から、という立場として言うならば、なるべく長期的に関わりつつ、復興に向かう町のなかでどんなことをできるのか。一緒に考えながらやってくださる方がいれば、心から嬉しく思います。 新谷健太(しんけん) 1991年生まれ、北海道北見市出身。金沢美術工芸大学卒業後、制作活動を行いながら2017年石川県珠洲市に移住。地域おこし協力隊として勤務後、ゲストハウスやコミュニティスペースなどを開業し、2023年「海浜あみだ湯」の運営責任者に。「令和6年能登半島地震」被災からわずか18日後に銭湯設備を復旧し、珠洲市市民のための無料開放を始めたほか、「銭湯ボランティア」を率いて地域のこまやかなニーズに応える活動を推進中。
森田 幸江