稲盛和夫がブチギレた管理職の「逃げの言葉」仕事ができないのが即バレするNGワードとは?
それが会議で断言できないのは、徹底的に考え抜いていないか、それとも心理的な部分が作用しているかのどちらかであろう。 まずはきちんと下調べなどの準備をし、できるとわかっているものについては「できる」とはっきり言い切ることが大切だ。仕事への前向きな姿勢とはこういうことをいうのではないだろうか。 逃げの精神が蔓延すると、組織全体の士気にも悪影響を及ぼす。挑戦を恐れない文化を育むことで、組織全体が前向きに成長し、より高い成果を達成できる。特に若い世代のビジネスパーソンには、失敗を恐れずに挑戦する姿勢を持つことが求められる。 ● 稲盛和夫がカチンときた部長の言葉 京セラとKDDI(第二電電)の創業者で、日本航空を再建、経営の神様といわれた稲盛和夫。京セラの創業期をつづった青山政次著『心の京セラ 二十年』には、若き日の稲盛の会議における一幕が明かされている。
《(京セラの)製販会議では話しの中のいろいろな問題をそのつど取り上げて、(稲盛和夫から)厳しく教育される。営業課員の一人が製造部長に、「その品物はいつできますか」と尋ねたら、部長は、「何日の目標でやっています」と答えた》 《稲盛はこれを聞くやいなや、叱りつけた。「何故何日までにやりますと答えられないのか。せめて何日の予定ですと言わないのか。「何日の目標でやっています」との答えの中には、できなかった場合、目標だったがこんなことが起きたのでできなかったという、逃げの精神が潜んでいる。できなくっても、とっちめられないよう予防線を張っている。そんな精神では納期は守られっこない。何日までにやりますとはっきり答え、逃げられないよう自分を縛りつけ、どうしてもやり通す精神でなければ物はできない。そういう返答をする君自身の心構えから改めねば駄目だ」と戒めた》 一般的な回答にも見える「何日の目標でやっています」という言葉すら「逃げ」だと断じるのは、稲盛が京セラの製造部長の仕事に臨む姿勢に、良からぬものをかぎ取っているからだろう。 稲盛は京セラをただのビジネスの集団ではなく、ある種の運命共同体のような組織にしようと考え、実践していた。その最たる例が「京セラフィロソフィー」の会社全体での共有だ。 このフィロソフィーにおいて、私たち京セラ社員は運命共同体であり、みんなで戦っていこうという姿勢を示したものであり、社員が挑戦し、それが例え失敗しても大丈夫、安心して仕事に取り組めるようにしようとしていたわけだ。 最新の経営学の研究でも以下のようなことが示されている。