アウトドアチェアのベストセラー、Helinox『チェアワン』と夏フェスの悩ましい関係
Helinoxの『チェアワン』という組み立て式アウトドアチェアをご存知だろうか。 【写真】片手で軽々と持てる「Helinox」のチェアワンは、組み立て式アウトドアチェアとして優秀過ぎる
なんていうのもわざとらしく感じるほど有名なチェアで、アウトドア好きにとっては「何を今さら」な話だろう。 とにかくこの10年余り売れに売れているベストセラーモデルだから、その名は知らずとも、写真を見て「ああ、アレね」と思った人も少なくないと思う。 ■■2012年に発売するや一世を風靡した画期的モデル Helinox『チェアワン』が市場に初登場したのは、2012年のこと。 非常に軽い(わずか890g)のにめちゃ頑丈(耐荷重145kg)で、コンパクトに収納できて(最大長35cm)持ち運びに便利。 そのうえデザインがカッコよく、座り心地も快適なことから、あっという間に人気商品となった。 発売するや口コミで評判が広がり、世界中のキャンパーやハイカーからロックフェス参加者などまで、幅広い層に支持されるようになったのである。 Helinox社は、1988年に創業した世界有数のテント用アルミポールメーカーDAC(Dongah Aluminum Corporation)社を母体とし、2009年に立ち上げられた会社。 軽量かつ頑丈なことで定評のあるDACのアルミポールを、幅広く活用して商品開発する使命を担ったブランドである。
そのHelinox社が持てる技術の粋を集めて開発した『チェアワン』は、その実用性とデザインが評価され、2013年には国際的なデザイン賞であるレッドドット・デザイン・アウォードや、国際スポーツ用品・ファッション総合見本市のISPOアウォードなどを受賞。 ブランドのフラッグシップモデルになっていく。 僕の私物『チェアワン』は、確か2014年か2015年に買ったものだ。 その頃、ガチなアウトドアシーンだけではなく、家族連れがくつろぐ近所の公園から夏フェス会場、編集者という職業の僕の仕事場である撮影現場に至るまで、本当にどこへ行っても『チェアワン』を見かけることが多かった。 アウトドアアイテムながら、アウトドア志向の人だけにとどまらぬ勢いの広がり方をしていたのが印象的で、“スマッシュヒット”とはこういうことかと思ったものだ。 当時の僕は、長年愛用する別のメーカーのアウトドアチェアを持っており、『チェアワン』を買う必要は、当初こそあまり感じていなかった。 でも、ここまで流行っているのであれば、自称“新しいもの好き” の沽券に関わると思い、やや出遅れ感があったが入手。 そして実際に使ってみると、目からウロコが落ちた。 座り心地や使い勝手の良さはもちろん、所有欲を満たすような感覚も強く、人気の理由がよくわかったのだ。 それ以来約10年にわたってガンガン使っているけど、いまだまったくガタはきていないから、『チェアワン』は耐久性にも優れていることを、個人的に保証したいと思う。 ■■コンパクトサイズながら抜群の座り心地 マイ『チェアワン』は普段、専用の収納袋に入れて、常に車のトランクにぶち込んでいる。 公式スペックによると、収納時のサイズは幅35×奥行き10×高さ12cm。 非常にコンパクトなので、限りあるスペースの車内に常備していても、まったく邪魔と感じたことはない。