池上彰に“こんまりメソッド”の近藤麻理恵がアドバイス!「お洋服からお片付けをやってみませんか?」
先日、「池上彰責任編集『明日の自信になる教養』シリーズ」の刊行を記念した「人生が豊かになるスペシャルイベント」が開催され、池上彰さん、近藤麻理恵さん、吉田裕子さん、増田ユリヤさん、西田亮介さんが登壇した。 【写真】池上彰さんと近藤麻理恵さんがトークセッション 「明日の自信になる教養」シリーズ とは、「自信を持って生きていくための教養を読者に深めてもらいたい」と企画されたシリーズで、池上彰さんがテーマ選びや編集会議から携わり、全テーマを責任編集。池上さんからバトンを受け取った“その世界の第一人者”が、“学校では教えてくれない教養”を、暮らしに密着した視点で、基本的なところから深い問題までわかりやすく解説していく。現在の刊行ラインナップは、「ニュースがわかる国境学」(著・増田ユリヤ)、「幸せに生きるための政治」(著・西田亮介)、「部屋も心も整う片づけ学」(著・近藤麻理恵)、「思いが伝わる語彙学」(著・吉田裕子)だ。 「こんまり」の愛称で知られる近藤さんは、同日のスペシャルイベントのトークセッション「自分の人生を切り開いていくこと」で、「実は今回、池上さんからこの本の話をご提案いただいた時に、『私に書けるのかな』とすごくプレッシャーを感じました」と、緊張感を抱いていたことを告白。 「(本のテーマとなる)教養としての片づけってなんなんだろうと。企画をいただいた時点では、すごく漠然としていたんですね。そこで、この本の執筆をきっかけに『そもそも片づけとはなんだろう』と、片づけの歴史などから考え始めまして。なので、この本を執筆する時に“片付けと社会とのつながり”について学びました。片づけというのは、植物を採取・栽培するようになって定住生活をするようになった1万6000年前の縄文時代から始まっていて。自分の家というものが定まった瞬間から、ものの定位置を決めるという概念が始まって、ゴミはどこに捨てるの?となって、貝塚が出てくる。それが実は片付けの概念の始まりで。そのルーツを知るところからこの本の執筆が始まったというのが、これまでの本と違うところになります」と、刊行した著書「部屋も心も整う片づけ学」について紹介した。 そして、そのタイトルについても言及。「片づけをすると部屋が整うのはもちろん、なによりも心に、精神に効いてくるという面があり、(海外の人が『こんまりメソッド』を)受け入れてくださった要因としてはここがフックになったんじゃないかなと。それを意図して、“部屋も心も整う”という言葉を入れました」と、タイトル決めの背景を明かすと、池上さんは「片づけで心が整うというのは、言われてみると自覚がある。私も共感します」と同調。 「私、本当に片づけが苦手で。片づけが苦手なくせに責任編集かいって言われるんだけど、自分のためにもなるだろう、勉強しようと思って、一緒に作りました(笑)。本当に片づけができないんですけど、年に数回だけ思い立って、2日にかけて机の周りを綺麗にするわけですよ。あの時の気持ちの良さったらないですよね。片づけた後『こんなに不必要なものを持っていたんだ』とか発見もあって。そうして机が綺麗になると、仕事の効率が上がるんですよね。で、これをずっと続けようと思っているんだけど、ふと気が付くと、どうしようもない状態にまたなっているんですけど(笑)」と、笑いを交えながら私生活について話しつつ、「でも、(『こんまりメソッド』の言うところの“ときめき”を感じて買ったものだから)山積みの本から片付けるものを選ぶのは難しい…」と悩みも吐露。 すると近藤さんは「つまづいてしまうときは、難易度の低いものから手を付けること。おすすめは、お洋服、本、書類、小物の順。本で迷っていらっしゃる池上さんだからこそ、お洋服からお片付けをやってみませんか?」とアドバイスしていた。 イベントではそのほか、吉田裕子さんとのトークセッション「ことばとメディア」、増田ユリヤさん、西田亮介さん、近藤麻理恵さん、吉田裕子さんと「教養とはなにか」をテーマに意見を交わすトークセッションを実施。最後に池上さんは「『明日の自信になる教養』シリーズはカラフルでしょ?実は、(各本)どの色を使おうとか、どんなイラストにしようかというところにも非常に時間をかけてやっているんです」とアピール。続けて「この4冊はもちろん、次作も出てきますので、ぜひお読みいただけるとうれしいなと思います」と、今後の展開も示唆してイベントを締めくくっていた。 取材・文=平井あゆみ