スタンダードモデルの“当たり年”と言われるiPhone 16、それでもやはり“Pro”を選びたい理由
■決定的な違いはProRAW/ProRes 決定的な違いは、最近の『Pro』シリーズは、静止画でProRAW、動画でProResを使える、これである。 RAWデータとは『生』を意味する。一般的に使われる静止画のJPEGやHEIFというデータ形式はデータを圧縮してある。したがって、補正や加工をすると、データがさらに劣化していく傾向が強い。つまり、ProRAWは圧縮率が少ないデータで、ほぼセンサーが取得したままのデータが保存されているから、後から明度や彩度、色相などに手を加えても破綻が少ないし、補正できる幅が広いのだ。
つまり、ProRAWはあとでさまざまな補正を行う前提の画像データということになる。もちろん、非圧縮のデータであるから、JPEGやHEIFがおよそ3~4MBのところ、1枚の画像でおよそ30~50MBとデータ量が大きい。普段の撮影に使うと、すぐにストレージがいっぱいになってしまうから、やはり作品制作にiPhoneを使うプロ用ということなる。 ProResはProRAWの動画版的存在。加工に耐える圧縮率の低い動画フォーマットで、比較的一般向けの422HQというコーデックでも、1時間撮影しただけで300GB~400GBと、あっという間にiPhoneのストレージがいっぱいになるほどデータ量が大きい。
iPhone 16 Proの性能をフルに発揮して、映画やコマーシャル映像を撮る時に使うようなフォーマットだ。最近の映画では、アクション用や、マルチアングル撮影用にiPhoneを使うと聞いた事があると思うが、そういう場合にこのProResを使うというわけだ。 16 Proのカメラ性能は、このProRAWやProResを使うことを前提とした高性能だといえる。 ■ハードウェア的な性能にも差はある といったものの、もちろんカメラのハードウェア的な性能にも差がある。16スタンダードは2眼、16 Proは3眼という違いがあるが、それぞれのカメラにも差別化が図られている。