東大発ベンチャーが25年度に商用機、「光量子コンピューター」の優位性
東京大学発ベンチャーのOptQC(東京都豊島区、高瀬寛社長)は17日、2025年度中に光量子コンピューターの商用1号機を構築すると発表した。産業技術総合研究所に実機を設置して、26年度から商業利用を始め、最適化などの研究が中心となる。光量子コンピューターの実機開発とユーザー育成を両輪で進める国内ベンチャーは初となる。 30秒でわかる「光量子コンピューター」 光ファイバーを進む光子に量子性をもたせて計算する。他の量子コンピューターに比べ大量の量子ビットを用意できる優位性がある。基礎技術がそろったため実機を構築する。高速性を追求した2号機を28年度、量子ビットの精度を追求した3号機を29年度をめどに構築する計画。技術を統合して10テラヘルツ(テラは1兆)で駆動する光量子コンピューターを目指す。 現在、資金調達を進めており、ベンチャーキャピタルと連携して部品供給などを担う協力企業を探していく。ユーザー育成に向けてメンバーシップ制度も立ち上げる。10社程度を想定している。