「亡くなった子どもたちがどう感じるだろうと思うと」津波で長女失った男性『震災遺構大川小』の外壁タイル落下し沈痛な願い「劣化防止措置を」宮城・石巻市
東北放送
津波の痕跡が残る宮城県石巻市の震災遺構大川小学校で、校舎外壁のタイルが落下しているのが見つかりました。大川小学校は、津波の被害を伝えるため校舎をそのままの状態で保存していて、遺族からは劣化防止対策を求める声が上がっています。 【写真を見る】「亡くなった子どもたちがどう感じるだろうと思うと」津波で長女失った男性『震災遺構大川小』の外壁タイル落下し沈痛な願い「劣化防止措置を」宮城・石巻市 石巻市釜谷にある震災遺構大川小学校。 校舎の南東側にある外壁のタイルが幅3.5メートル高さ1.6メートルにわたって落下し、コンクリートがむき出しになっています。19日の朝、巡回中の職員が発見しました。 只野英昭さん: 「段々、開いてきているのではないかと遺族と話している間に、これはちょっと日に日に大変なことになっているよねと気づいていた」 ■長女を津波で亡くした男性は… 只野英昭さんは、震災で大川小の3年生だった長女の未捺さんを亡くしました。 只野英昭さん: 「こういうのを見ていると、亡くなった子どもたちや、生き残った子どもたちがどう感じるだろうなと思うと、何かね…」 大川小学校では、震災の津波で児童・教職員あわせて84人が犠牲となり、2021年から津波の脅威や学校防災の重要性を伝える震災遺構として公開されています。 石巻市は、校舎には手を加えずそのままの状態で保存しています。 ■遺族が求めるのは「劣化防止措置」 しかし、コウモリのフンが目立ち、雨漏りにより床の傷みも進んだため、去年6月には初めて劣化防止の作業が行われました。 語り部活動もする只野さんは、震災遺構として後世に残すため、しっかりとした対策が必要だと訴えます。 只野英昭さん: 「残していてこうなっては何の意味もない、やっていること、残した意味が。だからこそ劣化防止措置が必要だと思う」 市は11月、タイルのひびを確認し対応を協議していたと説明していて、今後、修繕する予定です。ただ、具体的なスケジュールは未定としています。 石巻市は修繕方法としてタイルの内側に充填剤を入れることなどを検討しているということです。校舎には他にもタイルが浮いて落下しそうな箇所があるため、対応を急ぎたいとしてます。
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