生徒の「夢」と可能性を信じる…札幌の特別支援学校の挑戦 "月100社訪問"教師が企業に出向きマッチング支援 『職業ゼミ』で就職した卒業生と生徒が対話 増える障害者雇用「やりがい」追求
従来の進路指導に疑問 生徒の力生かした職探しを模索
30年以上知的障害のある生徒の教育に携わってきた校長の小山学先生は、従来の進路指導のあり方に疑問を感じてきました。 「例えば、スーパーと調べていくわけですよ。そして順番にですね電話をかけて、こういう学校ですけれどもお話聞いてもらえませんかって一件一件潰していくんですよね。自分がこういう人生を歩みたいとか、こういう仕事に就きたいということに大きな制限があるということ。(かつては)その制限があることが当たり前だと先生方も思っていた。もっとできることがあるのに。それぞれの子どもたちは一人一人力があるのに、なぜそれを発揮させてそれを生かして、自分がやってみたいという仕事にチャレンジできないのかなっていうのはずっと思ってました」(札幌みなみの杜高等支援学校 小山 学校長) 小山先生は、みなみの杜高等支援学校の立ち上げに携わったひとり。生徒が挑戦したいことを応援する学校にしたいと想いを込めました。 「彼ら彼女たちの可能性を僕らが決めてはいけないということですよね。これまでの常識にとらわれないで生徒たちが『こうしたい』ということを全力で応援したいというのが大きな考える視点となっていました」(小山先生)
国が障害者雇用進めるも道半ば 教員が情熱持ち会社訪れる
国は障害者雇用を進めていますが、企業で働く割合「法定雇用率」を達成している会社は半数ほど。雇用の課題として「会社内に適当な仕事がない」、「イメージやノウハウがない」などが挙げられています。 この日、佐々木先生たちは北海道北見市に来ていました。新たな企業を開拓するためです。出会ったのは、建設業の伊藤諭さんです。 「企業さんの求める人材とか聞きたいわけですよね。そうすると近づいていくので、就労に」(佐々木さん) 「音とか、そういうのに弱い子は向いてないかも。機械が動くんで、音が気になっちゃう子ってやっぱりいますよね」(大和谷工業 伊藤 諭副社長) 「『建設業やりたいよ』『警備やりたいよ』って(生徒が)言ったときに、『どこまで分かってる?』『どういうイメージ?』とか。今言われたように建設業だったら色んな大きな音出るよとか」「(生徒たちは)遠くから自分の足で通ってきてる。札幌は冬場すぐJRが止まるんですけど…」(高杉先生) 「その時の臨機応変な対応が…」(伊藤さん) 「できるんです。職場に電話入れたり、学校に電話入れたり…」(高杉先生) 「やっぱり(生徒を)一回見た方がいいっていう話ですね」(伊藤さん) 「見てください!いつ来ますか」(高杉先生) 「最初に会うのって先生じゃないですか。先生から熱量感じないと自分が企業側だったら、受けようなんて思わないと思う。この先生がこれだけ言うんだ。じゃあ生徒見てみようって。そこまで持っていきたいわけですよね。生徒見てもらったら、変わるかもしれない。一生懸命だし」(佐々木先生)
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