70年代の夜の六本木で出会ったロータス「ヨーロッパ SP」! 英国ロック好きの若者のハートに突き刺さりました【極私的スーパーカーブーム】
ブリティッシュロック好きのハートを直撃
ある夜、六本木に止まっていたロータス ヨーロッパ SPに恐る恐る近づき、丸目のヘッドライトや、特徴的なサイドフィンを持つリアセクション、どう見ても乗りにくそうなタイトなコクピット、ウッドバネルが張られたクラシカルでメカニカルな6連メーターのインパネをスーパーカー好きの子どものように食い入るように見ていたら、偶然、オーナーが戻ってきて、「オレのロータス、カッコイイでしょ」と言って、Y字メンバーに抱きかかえられたエンジンルームを自慢げに見せてくれたりした思い出もある。 後に調べまくったのだが、地を這うように低いバックボーンフレーム& FRPのボディは全高たった1080mm(フェラーリ 308GTBは1120mm)。ロータス「エラン」同様、ジョン・フレイリングのデザインで、ヨーロッパSPはロータス製の直4 1558cc DOHC 126ps+5MT(以前は直4 OHV、82psのルノーエンジン+4MT)を特徴的なリアに搭載。 イタリア製スーパーカーと比べれば、ずっと小さく(全長4000mm×全幅1635mm)、スポーツカーとしては廉価な英国製ミッドシップスポーツカーだったはずだが、ピンク・フロイドやディープ・パープル、ユーライア・ヒープ、プロコル・ハルムなどの英国プログレッシブロック、ハードロックに心酔していたブリティッシュロック好きのボクのハートに刺さるべくして刺さった。 若き時代を謳歌した1970年代の心象風景として記憶に残る、自身にとってのスーパーカーが、夜の六本木の街に映えた濃紺のロータス ヨーロッパ SPだったのだ。後にどこかで『サーキットの狼』を読んで(すいません、リアルタイムじゃなくて)、主人公の風吹裕矢がドイツやイタリアのスーパーカーとバトルした漫画の中のロータス ヨーロッパ SPの存在を知り、改めて1970年代の思い出が蘇り、感動したものだった。
青山尚暉
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