50代が憧れる「パリのおしゃれな家」素敵なインテリア
クリエイターたちにとって、住まいはいわば作品であり、想像力を培う場所でもある。パリ左岸に住むアイウエアデザイナー、アーレム・マナイ=プラットのおしゃれな家を拝見。 【写真】センスのいい家「おしゃれなインテリア」集
リノベーションで、キッチンからリビングまでを、広々としたオープンスペースに
リビングでは、目線を極力下に保つようアレンジした。だから背が高いのは壁側に配した観葉植物とランプのみ。ソファから肘かけ椅子とスツール、コーヒーテーブル、天井と暖炉の上の照明器具やつぼ、そして観葉植物を収めた鉢まで、丸い形が至るところにリピートされて小気味よいリズム感を演出している
完璧なアシンメトリーのダイニング・コーナー。暖炉の上右手に置いたのは、ティム・オールによる2つの体が抱き合う形の彫刻。結婚記念日に夫に贈ったもの。椅子はデンマークのヘイ、テーブルはスウェーデンのムードで
ダイニングテーブルでは、息子エリオと夫ボー用のゲームもディスプレイの役割を果たす。ウィーンで数代続くプロダクトデザイナー、カール・オーボックによるチェスは、レザーのボードにスチールの駒。バルコニーで摘んだフレッシュ・ハーブティーを添えて。
朝食や軽食は、このキッチンの一角が定位置。もっと小さかったのを改装で大きくした窓からはエッフェル塔が見えるので、カーテンはつけずに。
花は豪華でカラフルなものより、野花が好み。花瓶もスウェーデンで。アクネ ストゥディオズの仕事で頻繁にストックホルムに行っていたからか、北欧のミニマルなコンテンポラリー・デザインにも目がない。
素朴さとぬくもりを感じるモノトーンのミニマル・インテリア
壁のペンキのニュアンスから引き出しのノブの素材まで、細部にこだわるアーレムのアパルトマンは、オープンスペースと大きな窓、そしてナチュラルトーンが特徴だ。またおもしろい逸話をもつ写真やオブジェの数々は、クリーンなデザインにぬくもりを添える。 キッチンで花を生けるアーレム。キッチンの素材は大理石と木に絞り、生活感のある物をほとんど見せないつくり
癒しのカラー、灰緑色のソファがリビングルームの主役
グレートーンでまとめたリビングルーム。大型ソファは、ピエール=オーギュスタン・ローズ。“癒される色”を求め、グレーとグリーンの中間色を選んだ。暖炉の上の写真は日本の作家を多く扱うパリのギャラリー、カメラ・オプスキュアで見つけた山本昌男の作品
●Ahlem Manai-Platt(アーレム・マナイ=プラット) アイウエアデザイナー。写真を学び、新聞のカメラマンを務める。その後ファッションに転向し、アクネ ストゥディオズ、ミュウミュウでマーチャンダイザーを。結婚を機にロサンゼルスに移り住み、’14年にアイウエアのブランド「アーレム」をスタート。現在はパリ在住。 撮影/Sylvie Becquet 取材・原文/乗松美奈子 ※エクラ2024年2・3月合併号掲載