子供の大学受験…お弁当どうする? 料理研究家に聞いた「おすすめ食材」は?
受験当日のお弁当は何にしたらいいのか、悩む保護者も少なくないかもしれません。料理のプロは、わが子にどんなお弁当を持たせたのでしょうか。料理研究家の渡辺あきこさんに、自身のお子さんが東京大学を受験したときのことを振り返ってもらいながら、受験期の食事のポイントを教えてもらいました。 【写真】料理研究家・渡辺さんの「合格弁当」はこちら
――著書『渡辺あきこの東大合格ごはん』(主婦の友社)には、息子さんの大学受験時のエピソードが紹介されています。いつも以上に、毎日の食事を大切にされたそうですね。 2007年のことなので、かなり前の話ですが……。大学受験に、親が子にしてあげられることって限られますよね。息子が通っていた公立高校の保護者会で、「親は勉強に集中できる環境を整える『良き裏方たれ』」という話を聞き、裏方としての仕事をまっとうしたいと思っていました。 ――親にできることの一つが、食事面のサポートだったのですね。料理研究家の方がどんなサポートをしたのか、気になる保護者は多いと思います。 特別なことは何もしていませんよ(笑)。受験の直前期に入ったら体調を崩さないことが一番なので、栄養バランスうんぬんよりも、決まった時間にきちんとエネルギー補給できることを、いつも以上に意識したくらいです。 ――「栄養面」ではなく、「決まった時間にエネルギー補給」ですか。 息子はキッチンタイマーをセットしながら勉強していました。また、高校や塾は授業の時間がきっちりと決まっているので、受験生はそれに合わせて行動することが多いと思います。それなのに食事の時間が不規則だと、ペースが乱れてしまいます。 加えて、エネルギーが不足すると身体が冷えて頭が働かないし、風邪も引きやすくなります。簡単な料理や買ってきたピザで間に合わせる日があってもいいので、手の込んだものを作って待たせるよりも、決まった時間に食事を出すことを最優先にしました。 ――塾に通っている場合は、特に夕食の時間が不規則になりがちです。 高校からそのまま塾に行く日もありますよね。でも、塾が終わってから夕ご飯だと翌朝に響いたりしてよくないので、息子の友達のなかには、昼のお弁当のほかに、塾の前に食べるお弁当も持って登校していた子もいたようです。息子の場合は下校後にいったん帰宅できたので、夕方5時頃にしっかり食べてから塾に向かうようにしていました。 ――朝食はご飯と決めていたそうですね。 栄養士の方から、「米飯は消化吸収してエネルギーに変わり始めるのに、2、3時間かかる」と教えていただいたのがきっかけです。つまり、7時に朝ご飯を食べるとすると、授業や試験が始まる頃に、脳にエネルギーが回り始めるということです。それを知って以来、朝はご飯を中心に、ご飯に合うおかずやみそ汁などにしていました。 一方で一日の始まりの朝こそ、時間通りに食べることが大事です。わが家もインスタントのみそ汁や、卵かけご飯で済ませることがありました。用意しておいたものをレンジで温めるだけでもいいじゃないですか。食欲がないときは、バナナをつぶして牛乳と混ぜるだけのバナナジュースのほうが、のどを通ったりもします。親も頑張りすぎると参ってしまうので、上手に手を抜くといいと思います。