カルシーの米選挙予測市場、早くとも13日金曜日まで延期
カルシー(Kalshi)は、規制当局に対する裁判での勝利の栄光に浸っているかもしれないが、来たる米国選挙に関する長年求めてきた予測市場を上場させるには、少なくとも13日金曜日まで待たなければならない。 9日月曜日の午後、コロンビア特別区連邦地方裁判所のジア・コブ(Jia Cobb)判事は12日木曜日に審問を行うよう求めた。その間、判事は自身が先週金曜日に出した命令を保留とした。この命令は、選挙後に議会の上下各院を支配権をどの党が握るかに関するイベント予測契約取引をカルシーが上場させる道を開くものだった。 米商品先物取引委員会(CFTC)は昨年、カルシーがそうした契約を上場させることを禁止した。規制当局は特に、トレーダーが1億ドル(約145億円、1ドル145円換算)もの金額を賭けることを認めた場合、選挙の公正性を損なう可能性があることを懸念していると表明した。これを受けてカルシーは訴訟を提起した。 先週金曜日の判決で、コブ判事はカルシーを支持したが、その根拠は示さず、後の意見書で詳しく説明すると述べた。判事はまだ、その意見書がいつ公表されるかを明らかにしていない。 裁判での敗北から数時間後、CFTCは緊急動議を提出し、コブ判事に意見書公表後14日間の命令保留を求めた。CFTCは、判事の根拠を知らなければ、判決に対して上訴すべきかどうかを判断できないと述べた。 CFTCが求める保留が認められれば、カルシーは早くとも9月下旬まで選挙市場を上場させることができず、今年の選挙賭博ブームに参加できるのは5週間ほどしかない。訴訟が係争中の間、同社はこのブームから締め出されていた。 しかし、コブ判事が9日に命じた保留は12日の審問終了までしか続かないため、状況次第では、カルシーは早ければ13日にも市場を上場させることができる可能性がある。 カルシーはアメリカ唯一のCFTC規制下にある予測市場であり、同国でのみ営業している。同社は、アメリカの学生のテストスコアが向上するか悪化するかから、今年のビットコインがどこまで上昇するかに至るまで、様々なイベントに関する契約取引を上場させている(なお、取引は米ドルで決済される)。 より古参でアメリカのみで営業し、同じく法定通貨で賭けを決済するプレディクトイット(PredictIt)は、狭い規制上の免除の下で選挙契約取引を上場させている。予測市場と暗号資産(仮想通貨)の両面で今年飛躍的な成功を遂げたポリマーケット(Polymarket)は、CFTCとの和解の下で米国居住者に対する営業を禁止されている。 それにもかかわらず、カルシーは週末の提出書類で、CFTCの提案した延期に反対し、両社がカルシーの犠牲の上で市場シェアを獲得したと不満を表明した。 |翻訳・編集:林理南|画像:Shutterstock|原文:Kalshi's U.S. Election Markets Delayed Until Friday at Earliest
CoinDesk Japan 編集部