ヘッジファンドの専売特許だったCAT債、個人投資家にも広がる
(ブルームバーグ): カタストロフィー(CAT)債への投資はかつて、ヘッジファンドや他の洗練されたオルタナティブ資産運用会社の専売特許だった。しかし、2023年の最良のヘッジファンド戦略を支えた後、より幅広い投資家が投資するようになった。
調査・アドバイザリー会社のケプラー・パートナーズによると、個人投資家保護を目的とした欧州のUCITSラベルの下で販売されているCAT債ファンドは、その運用資産が今年12%増加し、過去最高の120億ドル(約1兆9000億円)に達した。この動きはUCITSを通じて販売されるCAT債が、CAT債市場全体のおよそ4分の1を占めるようになったことを意味する。
ケプラーのパートナー、マシュー・バレット氏は「2022年末以降、CAT債のUCITS市場が拡大している。「この資産クラスにとって非常にリッチな時期だ」と述べた。
CAT債は通常、リスクの一部を資本市場に移転しようとする保険会社が発行する。気候変動、人口密度、インフレなどの要因が保険会社が直面する潜在的損失を膨らませているため、発行は最近活発化している。CAT債投資家は、事前に定義された大災害が発生しなけれ ば市場を上回るリターンを得ることができるが、発生した場合は大きな損失に直面する可能性がある。
CAT債の発行額は今年、過去最高を記録しそうだ。同時に、気象学者が特に活発なハリケーンシーズンが大きな物的損害をもたらす可能性があると予測していることから、ポジションを見直している専門投資家もいる。
こうした状況の下で、CAT債UCITSの市場は急成長している。
UCITS:
シュローダーによると、同社のUCITS・CAT債ファンドには今年これまでに3億9000万ドルが流入した。リーデンホール・キャピタル・パートナーズもUCITS・CAT債ファンドを提供しており、過去1年6カ月で資産は3倍の約9億ドルに増加した。ブルームバーグのデータによると、2023年2月にローンチされたアムンディの米国CAT債ミューチュアルファンドは約3億2800万ドルの資金を集めている。