「察する力」を身につける2つの方法
答えに窮する質問をぶつけられて、困ってしまう……そんな経験が、きっと誰にでもあるはずです。 その状況はさまざまで、職場にいる時もあれば、友人たちと一緒にいる時もあります。 何と答えればいいのかわからない(本当にわからない場合もあれば、まだ人に言う心の準備ができていない場合もあります)。 それなのに、あなたが何か言うことを期待して、あなたに視線が集まります。それはまさに、悪夢のような状況です。 自分が質問する側に回り、(たいていはうっかり)聞いてしまった内容に罪悪感を覚えることもあります。 たとえば、友だちに人前でデリケートな質問をぶつけてしまう。会議の最中、おとなしい同僚をひじで小突き、意見を言うように促してしまう、というようなケースです。 あるいは、気に食わない人をちょっと困らせてやりたくて、わざとそうすることもあります。 いずれにせよ、相手が困ってしまう質問をすると、その人との信頼関係にヒビが入るという悪影響があります。それが意図的であっても、そうでなくても同じです。
信頼関係維持の鍵はEQにあり
マサチューセッツ大学アマースト校の心理学/脳科学名誉教授のSusan Krauss Whitbourne氏は、信頼関係を保つ秘訣は「心の知能指数(EQ)」を高めることだと述べています。そして、EQの中でも重要なのが、相手の気持ちを認識したり、予想したりする能力だとしています。 先日配信された「Psychology Today」の記事の中で、Krauss氏は次のように書いています。 相手があなたからできるかぎり遠ざかろうとしていたら、それは、あなたに感受性が足りず、相手にプレッシャーを与えてしまっているサインです。
EQ=相手の気持ちを感じ取る能力
EQとは、自分の気持ちをコントロールできるだけでなく、相手の気持ちを感じ取り、推測できる能力のことです。 相手の気持ちに気づき、それをもとに、目の前の状況を改善できる人。その一方で、自分の気持ちもしっかりとコントロールできる人。それが、EQの高い人なのです。 信頼関係の維持には、一定レベルのEQが要求されます。相手が何かに不安を感じているかどうかを感じ取り、どうすればその不安を和らげられるかを理解できるレベルのEQです。 私たちは、自分については、何に気まずさを感じ、何に不安を感じるのかを知っています。 けれども、相手がそうした感情を何に抱くのかについては、必ずしもわかっているわけではありません。誰もがみんな、それぞれ違っているからです。 うっかりした質問で相手を困らせてしまう事態を避けるには、あなたが意図せずして相手の不安の1つに行き当たってしまった時に、その人の気持ちに気を配ることが重要です。