EUROのGL判定データが公開!! 初採用“主将のみ主審と対話可ルール”にUEFA審判委員長「全員が満足している」
欧州サッカー連盟(UEFA)審判委員長のロベルト・ロセッティ氏が28日、EURO2024のグループリーグにおけるレフェリングを総括した。重要な判定の際にキャプテンのみが審判員とコミュニケーションを取ることができるという新運用について、「全員が満足している」と手応えを示した。『キッカー』や『STVニュース』などが伝えている。 【写真】「マジで美人」「可愛すぎてカード出る」現地観戦した女子アナに称賛集まる 今大会のEUROではPKなど試合結果に関わる大きな判定が下された際、選手が主審を囲まないようにするため、キャプテン以外の選手が主審に近づいて抗議した場合はイエローカードの対象となるルールが適用されている。ロセッティ氏は大会前に「審判員や審判委員会のためではなくサッカーのイメージや次世代のために行う」とコメントしていたが、ここまで大きな混乱はない模様。国内大会で同ルールの適用を希望する協会も複数あることを明かしている。 そのほか各種のレフェリングデータも公開された。GLでのファール数は前回の806回から808回とほとんど変わっていないが、イエローカードの枚数は98枚から166枚へと大きく増加した。ロセッティ氏によれば戦術的なファールによる警告が8枚から35枚となっていることが主な理由だと分析。審判員も注視しているという。 20回の判定変更が行われたVARに関するデータでは、半自動オフサイドテクノロジー(SAOT)を用いた判定に要した平均時間がUEFAチャンピオンズリーグ(欧州CL)より12秒短く46秒になるなど、全体的にVARの運用は欧州CLよりスピーディーになっていることが示された。 ロセッティ氏はGLで物議を醸した判定についても記者の質問を受け、判定の正誤は明らかにしなかったものの言及した。ドイツ対スイスの後半25分、MFマクシミリアン・バイアーがMFシルバン・ビドマーに抱えられながら倒れるもPKにならなかったシーンは「たしかに議論される状況だった」と認めつつ「主審にとって十分な強度ではなかった」と振り返った。 また、スコットランド対ハンガリーの後半34分、MFスチュアート・アームストロングがDFビリ・オルバンと接触して転倒したがPKにならなかったシーンは「アームストロングがハンガリーの選手の前にいた。後ろからのカメラ映像を見ると、アタッカーがハンガリーの選手に向かう動きがあった」と分析。続けて「VARはすべてチェックしているし、この状況もチェックした。彼らはDFにチャレンジするただの身体的な接触と判断した」と説明した。 以下、UEFA発表の各種データ ▽ファール EURO2016: 911回(1試合平均24.34回)/PK3回 2020:806回(22.4回)/PK6回 2024:808回(22.4回)/PK9回 ▽イエローカード 2016:129枚(3.6枚) 2020:98枚(2.7枚) 2024:166枚(4.6枚) ▽レッドカード 2016:2枚 2020:2枚 2024:3枚 ▽VAR 判定変更:20回 オン・フィールド・レビュー(OFR):8回 OFRを実施するまでVARが要した時間:51秒(CL:56秒) チェックからOFR完了までに要した時間:1分36秒(CL:1分39秒) VARオンリーレビュー(VAR-OR):12回 VAR-ORに要した時間:53秒(CL:1分19秒) SAOTを用いた判断に要した時間:46秒(CL:58秒) ▽判定変更内容 OFRで得点取り消し:2回(攻撃側ファール:1回/APP内攻撃側ハンド:1回) OFRで得点認定:1回(攻撃側のハンドではなかった) OFRでPK:5回(退場となる著しく不正なプレー:1回/タックル:2回/ハンド:2回 VAR-ORで得点取り消し:7回(オフサイド:5回/攻撃側ハンド:1回/PK時の侵入:1回) VAR-ORで得点認定:1回(オフサイドではなかった) VAR-ORでPK:1回(ファールはペナルティエリア内だった) VAR-ORでPK取り消し:1回(ファールはPAの外だった) VAR-ORでPKやり直し:1回(GKの飛び出し) VAR-ORで人違いのカード修正:1回(警告)