ジュエリー「ベルエポック」が大ヒット、ダミアーニが今田美桜さん起用で伝えたいこと
なぜ売れる?高級時計&ジュエリー 人気ブランドに聞く(3)
日本の宝飾品市場に2つの大きな波が到来している。1つは、日本での売り上げ拡大をにらんだ欧米の名門ジュエラーによる集中投資。もう1つは男性ジュエリー市場の争奪戦の活発化だ。2024年にブランド創業100周年を迎えるイタリアのダミアーニは、極めてアグレッシブに、その2つの潮流の先頭をひた走る。巨大なブランドグループを向こうに回してファミリービジネスを貫く老舗ジュエラーには、確かな勝算があるようだ。ダミアーニ・インターナショナル副社長兼最高経営責任者(CEO)のジェローム・ファヴィエさんが、ブランドの底力と日本市場への思いを語ってくれた。 【写真はこちら】「ベルエポック」だけじゃない! 花がモチーフの「マルゲリータ」「ミモザ」もチェック!
――ファヴィエさんはフランス人で、リシュモングループのカルティエといった大手ラグジュアリーブランドでキャリアを磨いてきたそうですね。一方、創設100年の節目を迎えるダミアーニは家族経営を貫く名門です。今、事業拡大へと投資を加速していますが、マネジメントの要点は何でしょうか。 「私のモットーはブランドがダミアーニらしくあることです。ダミアーニの価値観を前面に打ち出すことが必須であり、他社のコピーは絶対にしてはいけません。我が社は家族経営で、イタリアに工房を持ち、クラフツマンシップを大切にしてきた手作りのジュエラーとして広く知られています。長年、遺産として受け継いできたもの、ダミアーニの正統性やオーセンティックな部分をきちんと守っていくことが何よりも大切だと思っています」 「こうした理念を経営として実現する秘訣は、創業家であるダミアーニファミリーと私自身が精神的につながり、密接に連携することです。ファミリーはイタリア人で、私はフランス人。フランスとイタリアはいずれもラグジュアリーな文化に深い理解を持つ国です。実際のブランドマネジメントにおいては、ダミアーニのイタリア的な感覚に私自身のフランス的な素養を加えていく、という営みを続けることになります。私はリシュモングループで25年働いた経験があり、そこでの経営ノウハウを生かすことができます」