Appleの新ガジェットVision Proが続々と返品…。「ユーザーに選ばれなかった」5つの理由とは?
3. 製品として、こなれていない
Vision Proは第1世代の製品です。つまり、現在のMacやiPadと比べると、コンセプトが完全に製品に落とし込まれているとは言えないのです。 今購入する人は、いわば究極のアーリーアダプターですから、MRにものすごく真剣に入れ込んでいない限り、「買ってよかった」と思えるほどの使い道は見つけられないかもしれません。 発売時点ではVision Proに特化したアプリが600以上用意されていましたが、この数字は多いとは言えません。なぜなら、初代モデルの発売から15年以上が経過しているiPhoneは、ダウンロード可能なアプリが200万本以上あるからです(アメリカの場合)。 Vision Pro向けアプリにもクールなものはありますが、NetflixやSpotifyなどの人気サービスのアプリは、発売から間もない現時点ではまだ登場していません。しかし、幸いなことにTikTokに関しては、Vision Pro用アプリがすでに提供されています。 テクノロジーにも課題 さらにAppleは、Vision Proに採用された新しいテクノロジーの初期不良を解決する必要があります。映像表示に関わるコンポーネント、タッチタイピング機能が挙げられます。 今のところ、Vision Proでの文字入力は、Bluetooth接続のキーボードなしでは、労力に見合わない体験となってしまうでしょう。 開発者のChristian Selig氏は、バーチャルキーボードでのタイピングに関しては大半の人よりも慣れているようですが、それでも、「1分間に31語をタイプするのがやっと」なのだとか。 Apple Vision Pro typing test time, can you beat 31 WPM with the software keyboard? GO pic.twitter.com/PxV68ZeECO — Christian Selig (@ChristianSelig) February 6, 2024 ほかにも細かな不具合がたくさんありますが、それらについては、Appleが今後のアップデートで修正できるはず。その一例が、Vision Proが顔をスキャンして作成する、その人だけのリアルなアバターである「Persona(ペルソナ)」です。 ただし、こうした小さなトラブルが積もり積もって、せっかくVision Proを買った顧客を返品に走らせているかというと、私にはそうは思えません。