「獺祭」の旭酒造が宇宙で酒造り、原料運びISSで発酵…成功すれば限定1本1億円で販売
日本酒の「獺祭(だっさい)」で知られる旭酒造(山口県岩国市)は11日、国際宇宙ステーション(ISS)の日本実験棟「きぼう」で、酒造りに挑戦すると発表した。2025年後半に原料を運び、宇宙で発酵させる。成功すれば限定1本(100ミリ・リットル)を1億円で販売し、国内の宇宙開発事業に全額寄付する。
旭酒造によると、「きぼう」を有償で利用できる制度に応募して今年7月に承認された。計画では、酒の原料となるコメや麹(こうじ)、酵母を「きぼう」内で発酵させて醪(もろみ)を約520グラムつくり、冷凍状態で地球に持ち帰って清酒に仕上げる。
同社は「人類が将来、月面に移住しても酒を楽しめるように今から準備したい」としており、重力発生機で月面の重力を再現して製造し、完成品の名称は「獺祭MOON―宇宙醸造」とする方針だ。現在、ステーションに持ち込む醸造装置の開発を進めているという。