「初デートでサイゼはない」に元社長が喜んだ理由 高校生の会話「サイゼでもいいよ」も褒め言葉に
つまり、炎上を起こすのは、サイゼリヤの悪口を言う人ではなく、サイゼリヤのファンの人たち、サポーターなのです。自分たちが好きで通っている店に「なんでそんなことを言うんや」というわけです。 こうしたやりとりに、「中の人」は一切関わっていませんでした。 公式サイドが口を出すと、みんな引いてしまうからです。あれは、サポーターのみなさんの楽しみなんだから、自由に遊んでもらいましょう、そのように考えていました。
■非公式アカウントが続々と誕生 サイゼリヤは「イタリアンは高い」という従来のイメージをことごとく覆してきました。みんなが平等に食べられるようにしようというのが、サイゼリヤの創業者である正垣泰彦会長の思いだったからです。 それもあって、サイゼリヤでは、1000円もあれば、いろいろなメニューを楽しめるようになっています。 1000円でべろべろに酔える「せんべろ」ブームに乗って、1000円で「サイゼ飲み」を楽しむための「サイゼリヤガチャ」も登場しました。ガチャを回すたびに1000円で注文できるメニューの組み合わせが出てくる仕掛けです。
もちろんこれも非公式で、メニューが改定されるとすぐに内容がアップデートされますから、作っている人もたいへんだなあと思って見ています。 X(旧ツイッター)でも、高校生がつくった「サイゼリヤ非公式」というアカウントが話題になりました。 学校の課題で、サイゼリヤのメニューを組み合わせ、その場でアレンジするアレンジメニューをまとめた「サイゼリヤ布教本」をつくり、それがバズったのです。 こうした私設応援団の活動に、会社は一切タッチしていません。
自社でブランドを管理したい会社にとってはご法度かもしれませんが、「中の人」がちょっかいを出すと、明らかに「やらせ」になってしまうし、せっかくその人ががんばってやってきたことがムダになってしまうかもしれません。 だから、一切関わらないし、「やめろ」とも言いません。 SNSでの議論は、すべてサポーターのみなさんの自由に委ねています。それで炎上することはあっても、不思議なことに、こちらに火の粉は降りかかってこないのです。