調査官「いい車ですねぇ」…年収650万円で“ベンツGクラス”に乗る47歳サラリーマン、税務調査で「まさかの追徴課税」に唖然【税理士が警告】
税務調査といえば、個人事業主や富裕層といった一部の人以外には無関係に聞こえるかもしれません。しかし、実際には誰もが税務調査の対象で、さらに「資産を持っている」ことに無自覚であるほど、税務調査官に狙われてしまいます。今回、多賀谷会計事務所の現役税理士・CFPの宮路幸人氏が、具体的な事例をもとに“思わぬ追徴課税”を防ぐポイントについて解説します。 【早見表】年収別「会社員の手取り額」
父の相続税調査…調査官が放った「まさかのひと言」
神奈川県在住の佐藤さん(仮名・47歳)は、年収650万円のサラリーマンです。ひとりっ子の佐藤さんは、2年前に父親を亡くしています。 仕事で忙しくしていたところ、山梨の実家に住む母親から連絡がありました。 「なんかね、税務署から連絡があって、お父さんの相続税の調査に来るっていうのよ……申し訳ないんだけど、帰って来てくれる?」 佐藤さんは、「相続した財産なんて実家と預金1,500万円ぐらいだし、きちんと申告したはずだけど……」と不思議に思いましたが、すぐに用意をして実家に向かいました。 税務調査当日。神奈川の自宅から愛車のベンツGクラス(ゲレンデ)に乗って山梨の実家に帰省すると、ちょうど税務調査官が到着したところでした。すると開口一番、調査官は次のように言います。 調査官「これ、息子さんの車ですか? かっこいい車ですねぇ」 褒められて嬉しくなり、佐藤さんは正直に答えました。 佐藤さん「ありがとうございます。あれ、親父の形見なんですよ」 調査官「そうでしたか。すごくキレイに乗っていますね」 佐藤さん「そうですね~。父が亡くなる前の年に、新車で買ったものなんですよ。父はジャガーに乗りたかったらしいんですが、私がゴリ押ししてベンツにしてもらったんです(笑)」 調査官「そうだったんですね」 佐藤さんの父は昔から車が大好きで、若いときからよく車のカタログを眺めたり、好みの車を探しては買い替えたりしていました。お金に余裕のあった父は亡くなる1年ほど前に「生涯最後の車だ」と、ベンツを買っていたのです。 その後も雑談に花を咲かせながら、税務調査は終了。「なんだ、もっと怒られるのかと思ってたけど、これで終わりか」佐藤さんが安堵した瞬間、調査官は言いました。 税務調査官「お父様が買ったあの車も課税対象ですね」 ええっ!? 佐藤さんは開いた口がふさがりません。結局、車の評価額1,000万円(※購入時の価格1,300万円)の申告漏れが指摘され、佐藤さんは約200万円の追徴税額を支払わなければならなくなりました。
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