実質賃金4か月連続マイナス、11月は0・3%減…物価高に賃金上昇追いつかず
厚生労働省は9日午前、2024年11月の毎月勤労統計調査(速報)を発表した。物価の変動を反映した労働者1人当たりの実質賃金は、前年同月比0・3%減で、4か月連続のマイナスとなった。
残業代なども含めた現金給与総額である名目賃金は前年同月比3・0%増の30万5832円で、35か月連続のプラスだったが、消費者物価指数も前年同月比3・4%増になったことによる。電気・ガス代などの物価高に賃金上昇が追いつかない状況が続いている。
主に基本給を指す「所定内給与」は前年同月比2・7%増の26万5082円で、32年ぶりの高い伸びだった。残業代などを合わせた「きまって支給する給与」は前年同月比で2・6%増、賞与など「特別に支払われた給与」は前年同月比で7・9%増だった。
同省は2024年10月の速報値では、実質賃金が前年同月比で横ばいとなり、3か月ぶりにマイナスから脱したとしていた。確定値で0・4%減だったと下方修正したため、実質賃金のマイナスは4か月連続となった。
同省は、「賃上げ傾向は続いているが、食料品の値上がりなど物価上昇も続いており、状況を注視する必要がある」と分析している。