自称“変態アーティスト” その答えは「畑」にあった…農家で絵描き、元陸上選手・元県職員 “異色の経歴”女性アーティストに迫る
松江市出身の玉木さんは、高校卒業後、陸上選手として実業団に入団。中距離の選手として活躍しました。 その後、21歳でUターンすると島根県職員となり、10年前まで県庁で働いていたという異色の経歴です。 そんな玉木さんが作品づくりを始めたのは、31歳のころ。 たまちゃんアートファーム 玉木喜久代さん 「本当に忙しくて、いっぱいいっぱいになった時期があって。その時に、明け方2時に目が覚めるようになって、4時くらいまで、今まで描いたことないような目玉の魚たちがどんどん、指から湧いてきて。 一生懸命、描いてた。来る日も来る日も」 それ以来、"指から湧く絵"を描き続けている玉木さん。 不思議な生き物たちを次から次へと描いていきます。 たまちゃんアートファーム 玉木喜久代さん 「積んできたものがいっぱいあって、それが新しい体験、いろんなところでいろんな人に会ったり、いろんなものを見たりすると、ひょんと出てきたり」 そんな玉木さん。自身を"変態アーティスト"といいます。 その答えが、畑にありました。 玉木喜久代さん 「私は畑がアトリエって言っているんですけど。 生物学的変態は、足がいっぱいある幼虫がサナギに入って、まったく違う形になって飛んでいく、すごい神秘ですよね。私にとって“変態”は、『自分が変わって飛んでいく、飛翔する』という意味の“変態”なんです」 成長とともに虫たちが形を変えていく「変態」。 その神秘が、玉木さんの作品を生み出していました。 生きものの多様性。命の大切さ。 玉木さんの指から湧き出る作品には、そんな思いが描かれています。 そして、そこには、玉木さん夫婦とともに生きるたくさんの生きものたちの営みが写し出されています。 たまちゃんアートファーム 玉木喜久代さん 「私、国籍に対する偏見とかまったくなくて。若いときにアフリカに行った時も、涙がでるほど懐かしかったので、『多分、ここで生まれたのかな』と思ったりもする。どこの国の国民であっても、みんな一緒。多分、虫も人間も一緒だと思っているからそう思うのかな? 分かります?」
山陰放送