イスラエル、シリアの化学兵器庫を攻撃-市民の安全確保と主張
(ブルームバーグ): イスラエルは、シリアのアサド政権崩壊を受け、同国の化学兵器およびミサイル貯蔵施設を攻撃したことを明らかにした。市民の安全確保に向けた予防措置だという。
武装組織「シリア解放機構(HTS)」が主導するシリアの反体制派は週末に首都ダマスカスを制圧。イスラエルのサール外相は9日の会見で、反体制派は「極端なイデオロギーを持つイスラム過激派だ」と述べ、イスラエル国防軍が化学兵器を含む兵器システムを狙ったことから、これらが「過激派の手に渡ることはない」と説明した。
シリアを長く支配したアサド政権が反体制派の猛攻を受け崩壊したことは、中東全体に衝撃を与えた。隣国のイスラエルは特に警戒を強めている。アサド政権と戦争状態だったイスラエルのネタニヤフ政権は、新たなイスラム勢力の脅威にさらされることになる。
HTSは米国からテロ組織に指定されている。
ネタニヤフ首相は8日、ゴラン高原に位置するシリアとの緩衝地帯の掌握をイスラエル軍に指示したと述べた。ゴラン高原はイスラエルとシリアにまたがる地域でイスラエルがほぼ占領下に置いている。米国はゴラン高原におけるイスラエルの主権を認めているが、他の主要国は認めていない。
シリア国営放送は8日朝、「偉大なシリア革命の勝利と犯罪的なアサド体制の崩壊」を発表。その後でロシア外務省はアサド大統領が辞任すると決定し、シリアから出国したと声明で明らかにしていた。
原題:Israel Says It Struck Chemical-Weapons Storage Sites in Syria
Russia Says Assad Left Syria, Decided to Step Down From Office
(抜粋)
--取材協力:Alisa Odenheimer.
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Dan Williams