多くの人が誤解している「性格の正体」…ポジティブ思考、ネガティブ思考をつくる「脳の2大性質」
「性格は生まれつき決まっている。自分を変えることなんてできない……」。みなさんは、そんな思い込みに縛られていないだろうか? 【写真】「運がいい人」が判断基準にしている「たった1つのこと」 著書に『「おとなしい人」の完全成功マニュアル』がある脳科学者の西剛志氏によれば、先天的な「気質」は変えられないが、後天的な「性格」はいくらでも成長させることができるということを前編記事〈「人の性格は生まれつき」だから一生変わらない…? 多くの人が誤解している「生まれ」と「育ち」の驚きの真実〉でお伝えした。 本稿でも引き続き、最新の脳科学でわかった驚きの事実を、同氏がくわしく解説する。
研究でわかった、後天的な性格をつくるもの
それでは、どのようにして後天的な性格がつくられていくのでしょうか。 それを紐解くために必要なのが、脳の2大性質です。 ズバリ「快感学習」と「恐怖学習」と呼ばれるものです。 「快感学習」とは、体験した出来事を「快感」として記憶する脳の学習です。たとえば、あなたが訪れた新しいレストランで、珍しい魚が出されたとします。その魚がとてもおいしかったら、それは「快感」として脳に記憶されます。これがいわゆる「快感学習」です。 ところが、逆にその魚を食べて、お腹をこわしたとします。すると今度は、「もうこんな魚なんて絶対に食べない」と、脳は「恐怖(痛み)」として認識してしまうのです。これが「恐怖学習」です。 私たちは、一度食べて痛い目にあったことを忘れてしまったら、命の危険にさらされてしまいます。一方で、美味しいものを忘れてしまったら、また一から美味しい食べ物を時間をかけて探さなくてはいけません。 私たちの脳は人類が生まれた時代からずっと生存していくために、「ここには行かないほうがよい」「この部族と付き合うとメリットが大きい」などを常に学習して、行動を効率化させています。実はこの「恐怖学習」と「快感学習」が、後天的な性格をつくっていることが研究でわかってきています。