ユニクロCMに『ラヴィット!』出演…チアリーディングにかけるサラリーマンが叶えたい壮大な夢とは
早大OBで結成1年のCheer Re-Man's
現役サラリーマンがスーツ姿でチアリーディングをする動画が、SNSで注目されている。社会人チアリーディングチーム・Cheer Re-Man’s(チアリ―マンズ)によるパフォーマンスだ。早稲田大の男子チアリ―ディングチームのOBによって2023年に結成。「誰もが何者にでもなれることを証明する」ことをミッションに掲げ、日本を代表する社会人パフォーマンスチームを目指している。ENCOUNTは彼らの練習を取材。創設メンバーの1人、赤井勇介さん(28)に結成の背景、今後の夢を聞いた。(取材・文=よもつ) 【動画】Cheer Re-Man'sの貴重なプロモーション映像 土曜日の午後、都内の体育館に威勢のいい声が飛び交う。動画を見返しながら、入念に演技を確認するCheer Re-Man’sのメンバーたち。この日は6月8日、東京・池袋で行われる単独公演のリハーサル中だった。早大時代からチームを結成するまでのストーリーを織り交ぜたパフォーマンスは、コミカルなシーンもありつつ、アクロバティックな演技とチアならではの力強いエールで目をひきつける。リハ後は毎回輪になり、振り付けの細かいタイミングの修正、演技の提案をして精度を高めていく。長く切磋琢磨(せっさたくま)してきた仲間だからこそ、きたんなく意見を出し合い、互いを鼓舞する。 今でこそ男性のチアも珍しくないが、国内では「チア=女性」のイメージが強い。赤井氏はなぜ、チアリーディングを始めたのか。 「僕の場合は、シンプルにカッコよかったからです。大学に入学したら何か体育会系のスポーツをしようと思っていたので、『男子チアやりませんか』と誘われた時は『色物なのかな』と思って、興味がなかったんです。そんな偏見を持って、(パフォーマンスを)見たらカッコよくて、自分の価値観を壊された感じがしました。その壊される感覚にすごく感動して、『自分もその感動を伝える側になりたい』と思って始めました」 チアリーディングは、アメリカンフットボールや野球、サッカーなどの他の競技の応援から始まった。やがてアクロバティックな演技が取り入れられ、エンターテインメント性の高い表現のスポーツとなった。球技や陸上とも異なるチアの世界。ギャップは感じなかったのだろうか。 「(チアの練習は)楽しかったのですが、『難しい』と感じる部分もありました。高校までは明確に白黒(勝敗)がつくスポーツをしてきたので、明確な勝ち負けがつかないチアという競技に対して、モチベーションを維持することが、最初は簡単ではありませんでした。でも、やっていく中で、自分がうまくなって、『みんなで良いものを作っていく感覚』という楽しみに気づきました。そして、最後はめちゃくちゃ楽しかったです」 卒業後、サラリーマンとして日々忙しく働く傍ら、大学時代に体感した喜びとチアへの情熱は消えず、再びチアリーディングチーム結成に動き出した。 「創設メンバーは私、神原憧、今、海外に駐在している望月叡の3人です。望月と私が同期で、神原が1つ下の後輩という関係でした。最初は僕と望月で『社会人になって、パフォーマンスチームを持ちたい』と話していました。ずっと大学時代からチアをしてきて、社会人として働く中で、『またこのステージに戻りたい』という思いがありました。それで、去年の6月に『やるなら、これが最後のチャンスだ”』と思って、一念発起して結成しました」 平日は各々の会社に勤務し、練習は土日に行う。20~30代の彼らは、サラリーマンとしても働き盛りの時期だ。二足のわらじを履く生活は大変ではないのだろうか。 「大変だと感じたことは、実はそんなにないですね。(チアリーマンズの活動が)軌道に乗ってからは結構トントン拍子でここまで来ている感覚です。軌道に乗る前の最初の2~3か月は、『自分たちがどうなっていくのか』が全く見えていない状態でした。なので、そこがモチベーション維持という点で、大変というより、『どうすればいいのか分からなかった』という感じでした」