「2025年は結果を出す年」難波市長が意気込む静岡市政の1年
Daiichi-TV(静岡第一テレビ)
市長就任からまもなく2年となる静岡市の難波市長。2025年初の会見で、2025年は「結果を出す年」だと語りました。 (難波静岡市長) 「どこにどんな問題があるか大体わかってきて/ことしはいままでいろいろ検討した結果を具体的に動かしていって、結果をひとつひとつ出していくということが大事だと思っている」 中でも注目したいのが未来に向けた街づくりです。 まずは、市がJR東静岡駅北口に建設を目指す「新アリーナ」。 事業費およそ300億円。プロスポーツの試合などが可能な、最大1万人規模を想定し2030年のオープンを目指しています。 市の試算では、新アリーナの経済波及効果は30年間で5000億円以上。 2024年12月、Daiichi-TVの単独取材に難波市長は… (難波市長) 「ここで所得が生まれることが一番大きな効果/若い人の雇用の場が生まれて所得が得られる。所得は市民全体に回っていくのでそこが非常に大事なポイント」 1月14日には住民との意見交換会が開かれ、地元との合意形成を目指します。 市はその後、2025年度の予算案に事業費を盛り込み、2月の議会で諮る方針で、議決されれば正式に建設することが決まります。 1990年代から検討を始めておよそ30年、事業は大きな1歩を踏み出せるのでしょうか。 続いては、2030年代前半での供用開始を目指すJR静岡駅南口の再整備。 計画案では、現在のロータリーが南側にずれるようなかたちで、バス・タクシー専用のロータリーになります。また東側には一般車のロータリーが出来る予定で、これに伴い駅前にはスペースができて、広場となり、その中央には施設の整備が考えられています。 担当者は、「年内に基本計画の策定を目指す」と話していて、静岡市の玄関口のビジョンがより具体的に示されることとなりそうです。 続いて注目したいのが度重なる豪雨災害への対策です。 2022年は巴川が氾濫するなど床上床下浸水は4800棟を超え、さらに大規模な断水が発生しました。 2024年8月末の台風10号による豪雨でも、巴川の支流が氾濫。 市民の命を守るため難波市長が“肝いり”で進めているプロジェクトが「水位上昇や氾濫域を予測するシステム」の開発です。 このシステムでは、気象予報や雨量をもとに巴川周辺でどのくらいの浸水が起きるのか、最大6時間先まで予測が可能です。 Q.これは今どういう状況を示していますか? (静岡市 河川課 鈴木亘 主幹兼係長) 「8月31日の台風10号のときの予測システムの画面になります。こちらが常念川で、付近の浸水の予測を示しています/再生ボタンを押すと現在時刻から進んでいって地図上の色が変化していきます」 2024年8月当時の巴川水系の常念川も、川と道の境目が分からないような状況となっていました。 (静岡市 河川課 鈴木亘 主幹兼係長) 「浸水が広がっていく様子、さらに深い浸水になる場所、こういった変化がみてとれる」 静岡市によりますと地形も緻密に再現されていて、全国的にみても先進的な取り組みだといいます。 期待されるのは、「より早い段階で正確な避難指示を出す」こと。 近い将来、この予測情報を直接市民が見られるようにしようとしていますが、課題もあるようで…。 (静岡市 河川課鈴木亘 主幹兼係長) 「巴川は面積が小さい河川になるので例えば雨雲の位置が少しずれただけでも川の氾らん水位に著しく影響が及ぶ。誤った情報を市民に提供すると誤認を招く恐れがある」 システム自体は概ね完成しているものの、精度向上に向けた作業が重ねられています。 また、法律の壁もあり、直接市民へ予測情報を提供できるかはまだ不透明ですが、専門家と議論が進められています。 私たちの避難行動の判断材料が変わる年になるかもしれません。 最後に注目したいのが、静岡市 最大の課題「人口減少」です。 全国に20ある政令市の推計人口を調べたところ、2024年12月1日現在で静岡市は唯一70万人を割る、67万1515人で最下位。 また2020年10月の国勢調査をベースに、およそ4年間の人口の増減率を計算したところ、減少した割合は北九州市に次ぐ全国ワースト2位でした。 市の試算では何の対策も講じなかった場合、2050年に50万人を割るといい、先日地元企業のトップが集う新年の賀詞交歓会で、難波市長が語ったのも、この話題でした。 (難波市長) 「50万人を割ってはいけない/みなさんとともに静岡の経済を活性化させるとそれが子育て・教育環境の改善につながり、人口減少対策につながると思っている」 人口減少対策につながる企業立地の推進へ、難波市長がテコ入れを図ったのが、土地の有効活用です。 市は2024年、新たに公社を設立し、耕作放棄地など未利用や低利用の土地を集約することに力を注いでいて、新たな農地や企業用地としての活用を進めています。 また移住の促進へ、静岡市が1月から始めたのが、住宅確保にかかる費用の補助です。 諸条件はありますが、県外からの移住者に、最大で400万円の費用を補助します。 東京・有楽町にある静岡市の移住支援センターの相談員も、移住希望者を後押しする大きな武器になっているといいます。 ( 静岡市移住支援センター 田辺あき 相談員) 「自分が考えている同じような条件の土地で地域で探していらっしゃる方は、より有利な条件があるようなところを選びたいという気持ちがあるので/こちら(補助金)の話をしますと大変魅力的に感じられるようです」 難波市長就任からまもなく2年となる2025年。これまで撒いてきた種が芽吹く年となるでしょうか。