一体いつまで? 実質賃金4カ月連続のマイナスに庶民の嘆き《安倍さん、給料が下がり続けて発泡酒が水道水に変わったよ》
「はたらけどはたらけど猶わが生活楽にならざりぢっと手を見る」 明治時代の歌人、石川啄木が当時の労働者の苦しみや悩みを説いたものだが、令和になった現代も変わらないようだ。 【写真】「知識経済化」を阻んだアベノミクスがイノベーションを潰した 厚生労働省が9日に発表した昨年11月の毎月勤労統計調査(速報、従業員5人以上)によると、現金給与総額(名目賃金)に物価の変動を反映させた実質賃金は、前年同月比0.3%減で、4カ月連続のマイナスとなった。 電気・ガス代、食料品などの物価上昇に給与の伸びが追い付かない状況が続いているわけだが、物価上昇の理由の一つにあるのは円安だろう。2023年末は1ドル=141円40銭だった為替相場は、24年6月に1ドル=160円台に急落。24年の「円安」関連倒産は83件となり、前年(52件)の約1.6倍に急増した。 円安を招く引き金となったのは、故・安倍晋三元首相と日本銀行の黒田東彦前総裁(80)がタッグを組んで推し進めた異次元金融緩和「アベノミクス」だ。柱はいくつかあるが、その一つが「国債を大量に買って市場の資金供給量を増やすこと」だった。その結果、24年3月末の時点で国債残高は589兆円余りとなり、年度末としては過去最大となった。 この「アベノミクス」によって諸外国との金利差が広がり円安が進行したのだが、恐ろしいのはこの流れを止める手段が乏しいことだ。 ■円安とインフレが止められないアベノミクスの後遺症 24年6月の参院本会議でも野党議員がこう指摘していた。 「円安の影響で原油などエネルギー価格が上がり、食品も値上がりしました。物価の高騰、この場合、市中金利を高くしてインフレを退治するのがセオリーです。しかし、金利を上げると、日本銀行がこれまでに大量に買い続けた国債の価値が暴落し、日銀が債務超過となってしまいます。日銀が債務超過に陥った途端に、円がドルと交換できなくなるなど、外国から相手にされなくなり、対外的に円が紙くずになってしまいます。だから、金利を上げてインフレ退治をしたくてもできません」 野党議員はこれを「円安とインフレが止められないアベノミクスの後遺症」と断じていたが、いわば物価高に対して日本政府は「打つ手なし」と言っていいだろう。 この先も続く可能性が高い物価高、減り続ける実質賃金。そんな中、ネット上で拡散されているのが、安倍元首相が2018年3月の自民党大会での発言を皮肉った投稿だ。 安倍氏は「『安倍さん、給料が上がったから発泡酒からビールに変わったよ』という若い工員(略)こういっていました。『安倍さん、ずっと給料があがったんで、家飲みから外に飲みにいくことができるようになった。たまにははしご酒したいな』。皆さん、これが経済の好循環なのです」と言っていたのだが、そのビールも資材高騰を受け、アサヒビールは25年4月からビールや酎ハイなど酒類226品目を値上げする予定だ。 《安倍さん、給料が下がり続けて発泡酒が水道水に変わったよ》 《安倍さん、給料ダダ下がりで外に飲みに行くどころか、家飲みも厳しいよ》 《安倍さん、1円でも安い食品を求めて激安スーパーをはしごしているよ》 笑えない。 ◇ ◇ ◇ 日本経済を今も苦しめるアベノミクス。●関連記事【もっと読む】で《石破新総裁は「脱アベノミクス」を貫けるのか…株式市場が“大暴落ショック”で洗礼も庶民は大歓迎》、【さらに読む】で《「アベノミクスをやめる」…いわないのではなく、いえないのかもしれん。》を取り上げている。