富山県立高14年後に20校 県教委が方針 14校程度削減
●学科は普通、総合、職業 富山県総合教育会議は20日、県庁で開かれ、県教委は県立高の再編について、2038(令和20)年度までに、現行の34校から14校程度削減し、20校程度に再編する方針を示し、了承された。14年後は県内の県立高は大規模校(1学年400~480人)2~3校、中規模校(同200~240人)13~15校、小規模校(同120人以下)3~4校が配置される。県教委は拠点校となる大規模校も維持しながら段階的に再編を進めるとみられ、年度内に基本方針を定める。 県教委は県立高について2010年度に10校を5校、20年度に8校を4校に再編しているが、今回は前例のない規模となる。 県教委によると、昨年度に生まれた子どもが中学を卒業する38年度は、県立高の募集定員が4千~5千人となる見込みで、来年度の募集定員である6024人から1千人以上減少する。これを受け、将来は多くの県立高が小規模校となる懸念から再編の方針について検討を進めていた。 大規模校は拠点校と位置付け、さまざまな進路希望の生徒と交流し、多様な考え方に接することで社会参画する力を身に付ける学校とする。多くの生徒を受け入れるため新築も検討する。中規模校は現在の学校施設の活用を基本に、教員配置や科目、部活動の数を維持し、生徒の選択肢を確保する。小規模校は、特色ある教育活動や生徒の通学時間などを考慮して設置する。 学科構成について、普通系、総合、職業系専門の3学科構成とする。普通系学科は、一般教科の学習を主体とする「スタンダード」、高等教育機関での研究を視野に入れた「STEAM」、国際感覚を持った人材を育成する「グローバル」、スポーツや芸術文化など特色ある科目を重点的に学ぶ「未来創造」、地元企業と連携した活動など独自の教育を行う「地域共創」、義務教育の学習内容が不足している生徒が基礎学力を習得する「エンパワーメント」の6区分とする。県教委は、さまざまな学校規模や学科を組み合わせて、生徒に幅広い選択肢を提供するとした。