ストッキング製造の福助鳥取工場、2025年3月で閉鎖へ 受託生産減少や原材料高騰などを理由に事業継続は困難と判断
ストッキング製造の福助鳥取工場(鳥取県琴浦町逢束)が、コロナ禍の影響による受託生産減少や原材料高騰などを理由に事業継続は困難とし、2025年3月で閉鎖されることになった。福助本社(東京都江東区)がホームページで発表。琴浦町は従業員107人の半数を占める町内在住者の再就職支援のため、町内事業者を対象に、受け入れ1人当たり10万円を支給する。 【企業倒産】過去10年で最多 24年度上半期 島根33、鳥取17件 全て零細、賃上げが圧迫
工場は1971年に旧カネボウストッキングの前身・鐘ケ淵繊維の鳥取工場として開設。2006年に株式取得した福助が「KBフクスケ」として子会社化し、15年に吸収合併した。ストッキング、タイツの相手先ブランドによる生産(OEM)を手がける。コロナ禍の影響で受託生産数が大幅に減る中、町内事業所への「在籍型出向」などで雇用を保ってきた。 従業員107人の居住地で最多の55人を占める琴浦町は、正規労働者としての雇用や「離職後6カ月以内」の早期雇用などを要件に、研修や訓練、環境整備などにかかる経費を想定し、受け入れる町内事業者に職種を問わず助成する。 総額550万円を盛り込んだ24年度一般会計補正予算案を26日の町議会臨時会に提案、可決された。財政調整基金を取り崩した独自助成で、25年度に繰り越して活用。職種や賃金の要件がある国、県の助成制度とも併用できる。町商工観光課によると、19日までに従業員の個別面談が行われ、再就職に向けて希望職種が取りまとめられる。