白峰アルペン競技場、電線盗難 外国人2人逮捕 容疑で白山署、車から押収
●再度来訪か、広域窃盗視野に捜査 白山市白峰の白峰アルペン競技場で今月上旬、電気配線を盗んだとして、白山署と石川県警捜査1課が県外在住の外国籍の男2人を窃盗容疑で逮捕したことが7日、捜査関係者への取材で分かった。2人が乗っていた車から、奪ったとみられる電線も見つかり押収。白山署などは2人組が競技場一帯で10月までに電気ケーブルが大量に盗まれた事件に関与した可能性があるとみて、再度の犯行や広域窃盗の疑いも視野に、詳しい動機と足取りを調べる。 【写真】リフトの床下の電線も、工具のようなもので切断されていた 捜査関係者などによると2人の逮捕容疑は今月5日ごろ、アルペン競技場内の休止中のコース付近に配備された銅線ケーブルを盗んだ疑いが持たれている。 同競技場を管理する白山市は11月1日、スキー場として開放しているゲレンデの変電設備内やリフトを動かす装置と、休止中のコースで電気ケーブルが根こそぎ盗まれているのを確認。10月までに被害に遭ったとみられ、いずれも工具のようなもので切断したり、引きちぎったりした跡があった。 これを受け、市からパトロールの要請を受けた白山署と県警はアルペン競技場付近の警戒を強化。今月5日ごろ、競技場の方向へ行き、戻ってきた不審な車両を発見し、乗っていた外国人の男2人を任意聴取した。車内からは盗んだとみられる電線が見つかり、取り調べで容疑が固まったことから逮捕に踏み切ったとみられる。 捜査関係者などによると、市は一帯の被害を受けて、各種スキー大会で使われるゲレンデ部分の盗難電線を2日までに取り換えており、ゲレンデでの再度の盗難被害はなかった。白山署などは2人組が5日ごろ、休止コースのため市が復旧作業をせずに残されていた電線を盗んだとみている。 金属窃盗を巡っては、銅価格の高騰を背景に、全国的に被害が相次いでいる。転売目的の外国人による犯行も目立つ。群馬県の万座温泉スキー場は、9月にゲレンデの電気ケーブルが盗難被害に遭ったとして今シーズンの営業縮小を余儀なくされた。 白山署などは、逮捕した2人組が白峰アルペン競技場での電線の大量盗難に関与した可能性が大きいとみて、2人を含む窃盗グループの存在も視野に調べている。2人の自宅を家宅捜索するとともに、電線の売却先なども捜査し、事件の全容解明を急ぐ。