スマホからガラケーに変えたら、幸福度が爆上がりした
iPhoneを手放し、ガラケーに乗り換えてから半年。不便なこともあるけれど、それ以上に筆者の人生はより豊かに、よりロマンチックになったという。 【画像】スマホからガラケーに変えたら、幸福度が爆上がりした
アプリを極限まで削除
iPhoneの使いすぎで虚しさと苛立ちを感じていた私は、この5年間、スマホの機能を基本的なアプリだけに削ぎ落としてきた。 真っ先に削除したのはSNSだ。続いてEメール、ニュースアプリ、果てはウェブブラウザまで……。 機能を減らすたびに解放感が増し、スマホをチェックしたいという飽くなき衝動も徐々に薄れていった。それでも完全に消えたわけではない。 1日に少なくとも15回は天気アプリをチェックしていた。それがスマホに残された数少ないアプリの一つだったからだ。ほとんど空っぽのスマホでも、その存在は無視しがたい。 前々からガラケーに乗り替えたいと思いつつ、いつも口実を見つけて踏み切れずにいた。最終的に背中を押してくれたのは、私の2人の生徒、15歳と18歳の姉妹だった(私の職業は教師だ)。2人がガラケーを購入したという噂が学校中に広まったのだ。 自分が受け持っている「目的とコミュニティ」という授業で、スマホがその両方の妨げになることを教えている身としては、それ以上の後押しは必要なかった。彼女たちが勇気を出して行動したなら、私にもできるはずだ。 私はガラケーを9ドルで購入し、新しい電話番号で通話とショートメッセージが1年間使い放題のプランに120ドルを支払った。この半年、私はiPhoneではなく、ガラケーだけを持ち歩いている。
ガラケーで得た最大の喜び
予想どおりガラケーは不便だが、それこそが狙いだった。たいていの不便というものは、実はとても心地良いものなのだ。 ショートメッセージの入力は恐ろしく手間取るので、代わりに電話をかけて、5分程度の楽しい会話を重ねるようになる。一日中、それの繰り返しだ。 お薦めレストランの情報は、「イェルプ」のようなグルメアプリではなく、近所の人とおしゃべりしながらゲットする。スーパーでレジ待ちしているときは、スマホをいじる代わりに店員さんと会話する(他の客に話しかけることもあるが、十中八九、彼らの目はスマホに釘付けだ)。 初めての場所へドライブするときは、家で地図を調べてから出発し、あとは成り行きに任せる。道に迷うこともあるが、それも望むところだ。 これがガラケーを持つことの魅力的でロマンチックな側面である。より多くの会話、より多くのアイコンタクト、より多くのつながり。これこそが、ガラケーに切り替えることで得た最大の喜びでもある。
Mark Lukach