大阪FMラジオ局の女性広報はソプラノ歌手 高山景子さん
これがかえって音楽との縁を深めた。「仕事を通じ自分のジャンルとは違う様々な音楽に触れられるんです」。また、番組宣伝の際も「アーティストの気持ち」がわかるのは強み。どうすれば喜んでもらえるかを自分なりに置き換えながら考え、仕事に生かしているという。そんな充実感を得ながら、次第にこれまでと違った形で音楽と向き合えるようになった。そして「新たな自分を切り開きたい」とコンサート開催を決めた。「7年間眠らせていた権利を使う時がきました」 以来、仕事を終わらせてから遅くまで練習の日々をすごすも、ピアニストなど音楽仲間らが無償で遅くまで付き合ってくれているのは力になるという。また、今回のコンサートには新たな縁からロシアの「モスクワ・クァルテット」が出演することに。ドイツで学んできた高山さんにとっては、また新たな音楽と出会うことが力にもなる。 「正直100%を出すことは無理かもしれません。けど、今を一生懸命やってみたい」。賞をとった松方ホールでのコンサートには感慨深さがある。だが、今は7年前とは違う自分がここにいる。「新しい自分を切り開くことができたら」。笑顔で語る高山さんは、きょうも仕事と練習に励む。