バレンシアガのワイドシルエットスニーカー「3XL」とは。ワイドソールや甲の紐、無二の魅力を解説
まさか別売りが基本の予備を本体に巻き付けデザインの一環にするなど誰が想像できよう。外して予備として持っておくのもいいが、つけたままアイデンティティを主張するのもこれ一興だ。
特徴④カラーバリエーション
おそらくファーストコレクションの衝撃的な出会いにより、ブラック、エッグシェル、イエロー、グレーといったカラーが「3XL」のイメージとしては強い。 ただ、今年の春にはレッドやダークグリーンやベージュらがラインナップに加わった。
そしてFall 24コレクションでは新たにブルーや前衛的な柄を纏ったモデルもリリース。そんなカラーバリエーションの広がりも、今後の楽しみといえるだろう。
“スニーカー以外”にも刮目せよ
スニーカーの部類では、おそらくもっともボリューミー。それでいて、複雑なオーバーレイが生み出す立体感や見る方向により異なる印象を与える構造など、類まれな実験的アプローチはこれまでにない驚きをシーンにもたらした。 多くの人々が魅了されている現状を鑑みれば、その目論みは成功といって差し支えないだろう。 そして今夏、またとないモデルが発表された。そう、サンダルタイプだ。
モノトーン基調のこの2足。アイコン的ディテールでもある幅広いソールはもちろん健在である。ゆえに、安定性はひとしおで衝撃吸収性にも長ける。 インソールのクッショニングは快適性を担保し、指先、甲部、踵をホールドするスポーツタイプゆえ足ずれによる疲労感の助長も抑えられるだろう。 サンダルでありながら凛としたその佇まいは、さすがトップメゾンの面目躍如といったところか。
まとめ
他に類を見ない圧倒的フォルムとデザインセンス、視覚効果も秘めるユニークな仕掛けは、長く慣れ親しんできたがゆえに凝り固まってしまった我々のスニーカーの概念を払拭するいい起爆剤となろう。 トップメゾンの底抜けのポテンシャルと豪胆なアプローチによる斬新な一足は、物足りない夏スタイルのスパイスとしていい手立てとなりうるはずだ。 菊地 亮=文
OCEANS編集部