吉岡里帆「痛みを無視せず、受け止めてきたから強くなれた」
「この作品が世界で一番面白い!」と信じる気持ち
――「芸術」や「個性」に対して確固たる信念を持っている矢島ですが、仕事をする上で今のご自身が譲れない信念を教えてください。 吉岡: 今は映画もドラマも配信もあって、作品数が多い時代に突入しています。演じる私自身が「この作品が世界で一番面白い!」と信じる気持ちがないと、届くものも届かないなと思うので、そこはいつも大事にして、「私が関わっている作品、関わる人たちが最高!」って思うようにしています。 ――最近見て元気をもらった作品はありますか? 吉岡: 今更なんですけど、最近は「ピクサー」作品を見返しています。子供の時から大好きで『バグズ・ライフ』や『トイストーリー』などはずっと見てきてはいるんですけど、大人になった今改めて見ると、めちゃくちゃ泣けて心が浄化されるんです。「ジブリ」作品も同様で、先日久しぶりに『紅の豚』を見たのですが、元々大好きなんですけど「大人になるとこんなに見え方が変わるんだ」と驚きました。
「自分が好きなもの」を考え直してみる
――30代に入って、年を重ねることに今どんな思いがありますか。 吉岡: 年齢を重ねるのが怖いと思ってしまうと、いろいろ辛くなってくると思うので「素敵だな。こういうお姉さんになりたいな」と思える人たちと過ごすことを大事にしています。そういう先輩方を見ていると、年を重ねることが楽しみになるんです。 あとは、居心地がいいなと思う人間関係や空間、着るものやメイクなど、自分が好きなものをもう一度ちゃんと考え直してみるのもいいと思います。「人にこう見られたい」とか「誰かがこれを褒めてくれたから」ではなく、「自分は何が好きか」ということがぶれなければ、年齢なんて気にならないと思うんです。きっとそういうことは年を重ねていくにつれて磨かれていくことだと思うので、年々魅力が増してくはず、と思っています。 ヘアメイク:paku☆chan スタイリスト: 飯嶋久美子(POTESALA)
●吉岡里帆(よしおか・りほ)さんのプロフィール 1993年生まれ、京都府出身。近年の主な映画出演作品に、『ハケンアニメ!』、『アイスクリームフィーバー』、『Gメン』、『怪物の木こり』などがある。「トランスフォーマー/ONE」では日本語吹き替えを担当。11月には『正体』の公開も控える。 ■映画「まる」 監督・脚本: 荻上直子 出演:堂本剛/綾野剛/吉岡里帆、森崎ウィン、おいでやす小田、濱田マリ/柄本明/早乙女太一、片桐はいり、吉田鋼太郎/小林聡美 10月18日(金)より公開 © 2024 Asmik Ace, Inc. 製作・配給:アスミック・エース
文:根津 香菜子