トランプが習近平に猛激怒!…鉄槌を下される中国経済の「致命傷は不可避」といえる「深刻な理由」
くすぶる「中国由来の麻薬」の火種
トランプ氏は10月18日に公開された米ウォール・ストリート・ジャーナルのインタビューで、「中国が台湾封鎖を実行した場合、150~200%の関税を課す」と主張した。 この発言はトランプ流のブラフ(脅し)だろうが、現実味のある主張も行っている。 トランプ氏は11月4日にペンシルベニア州で開かれた選挙集会で、「メキシコと中国が医療用麻薬フェンタニルの米国の流入を阻止するまで、両国からの輸入品に25%の関税をかける」と警告を発した。 米国では毎年、薬物の過剰摂取で約10万人が死亡している。中でも麻薬製鎮痛剤(オピオイド)の一種であるフェンタニルが元凶とされている。フェンタニルを米国に持ち込んでいるのはメキシコの麻薬組織だが、その原材料を供給しているのは中国であることから、米国では「チャイナ・ガール」と呼ばれている。 中国政府は「厳正に対処する」と述べるだけで事態が一向に改善しないことから、フェンタニル被害者の遺族グループは通商代表部(USTR)に対し、フェンタニル問題における中国の役割を調査するよう、嘆願書を提出している。USTRは「調査を行うかどうか検討中だ」としている(10月30日付ニューズ・ウィーク日本版)。
現実味を帯びる「21世紀版アヘン戦争」
「21世紀版アヘン戦争を仕掛ける中国に対して、鉄槌を下す(高関税を課す)」とトランプ氏が主張すれば、多くの米国民はこれに賛同する可能性は十分ある。 トランプ氏の関税攻勢で中国経済が致命的な打撃を受けるのは不可避なのではないだろうか。 さらに連載記事『トランプの「奇跡の1枚」で追い詰められたのは、習近平だ…!米中関係に不安を抱く中国人識者が明かした「一抹の不安」』でも、今後の中国経済の行方を占っているので、ぜひ参考にしてほしい。
藤 和彦(経済産業研究所コンサルティングフェロー)