48歳の中日・山本昌 本人に聞いた31年目の挑戦
■48歳のレジェンド 若手に混じって汗を流す プロ31年目の48歳。中日の山本昌が順調なキャンプスタートを切っている。沖縄の読谷村で行われているファームのキャンプに、もはや球界の“天然記念物”とも言える投手を訪ねた。彼と面と向かって話をするのは何年ぶりだろうか。 背水の日本ハム・斎藤佑樹 今シーズン再生なるか? 「何しに来たんですか?」 読谷に突然、現れた筆者に山本昌は驚いた顔をして笑った。 「プロ31年目。48歳の先発投手の凄さを記事にしたくてなあ」 「何言ってんですか。そんな、たいそうなもんじゃないですよ」 相変わらずの人の好さと、その肉体的スケールの大きさに圧倒される。 山本昌は、練習ではアップから若い人たちと同じメニューをこなす。この日は、真っ先にブルペンに入った。2日連続だという。ストレートばかりを53球投げた。途中、何度も、ピッチングを中断させて、プレートから右足を踏み出す位置までのステップ幅をスパイクを利用した歩幅で測っていた。 ■理想へ近づくため 48歳の飽くなき探究心 6歩半。昨年は、新しい取り組みとして、キャンプから、このステップを延ばした。安定感と球威をより増そうというプロ30年目のチャレンジだった。今年も、そのステップ幅を気にかけていた。 「去年は、ステップを少し大きくしました。今年は、さらにもうちょっと、幅を大きくできないかなと考えているんですよ」 おそらく数センチの世界なのだろうが、挑戦は続いている。投球フォームについても、グラブから左手をどのタイミングで離すかに試行錯誤している。 「どちらもできるんだけど、いろいろ試しながら、どれがしっくりくるかと」 31年目にして悩んでいる。それほど彼が追い求めているピッチングの世界は奥深い。山本昌は、理想像へ一歩でも近づく進化を求め続けている。48歳の飽くなき探究心。勝てる投手を追い求める姿こそが、彼を、この厳しい世界のトップの位置に30年間も留めてきた理由のひとつに違いない。