4月19日から春の終わりを告げる『穀雨』。「ひたすら眠い」「疲れる」人が意識したいポイントとは?二十四節気別<暮らし方><養生><旬のもの>
「二十四節気」とは中国で誕生した旧暦(太陰太陽暦)で、1年を約15日ごとに24等分した季節の名称のこと。この連載ではその二十四節気に沿った過ごし方や備え方、旬の食材を、漢方コンサルタントの櫻井大典さんが紹介します。「二十四節気は不調を防ぎ、日々をより豊かに過ごすための“知恵”の結晶」と語る櫻井さん。今回紹介する季節は「穀雨(4/19~5/4頃)」です。 【イラスト】胃腸をととのえ、血を補ってくれる旬の食材は… * * * * * * * ◆穀雨(こくう) 4/19~5/4頃 やわらかな春雨が田畑を潤し、まさに“恵みの雨”となる頃を指す穀雨は、春の終わりを告げる節気となります。 田植えや種まきの準備が始まり、そろそろゴールデンウィークに差しかかります。 春の土用(4月16日~5月4日頃、立夏の前日までの約18日間)に入り、茶摘みの「夏も近づく~」の歌でおなじみ「八十八夜(立春から88日目)」の雑節(ざっせつ)も。 春の五臓(注)の「肝」の養生に加え、季節の変わり目ですから、胃腸をととのえる「脾」の養生にも気を配りましょう。 (注)中医学の考えで、「五行論」に基づく「肝、心、脾、肺、腎」の5つを「五臓」といいます。いわゆる「五臓六腑」の五臓にあたります。
◆中医学的 穀雨の暮らしかた ・心と身体の状態 春の終わりにあたるので、肝の疲れが溜まり、春の不調が現れやすい頃です。 4月も下旬に入り、新しい環境などで頑張って、張りつめていたこころと身体が、休息を欲しているかもしれません。 ストレスからくる不眠や胃腸トラブルに見舞われやすいときですが、気候的には、春らしくとても過ごしやすい時期でもあります。 この後にひかえる梅雨や猛暑に備える“一時(いっとき)のお休み”と捉え、補給に重点をあてて、今のうちに疲れを取り除いておきたいところです。 穏やかな気候のもと、しっかり寝て、しっかり食べる。疲れすぎないように気をつけて、ゆっくり過ごしましょう。 ・起こりやすい不調 肝の不調からくるストレス性の胃腸トラブルに加え、イライラ・情緒不安定・不眠・身体のだるさなどに見舞われる人が多い頃です。 「ひたすら眠い」「とにかく疲れる」という人もいることでしょう――。 また、肝が弱ると「胆」も弱るため、いわゆる“胆力”がなくなります。 “胆力”とは、どっしり構えて“肝(きも)”が据わっている気力のこと。 この“胆力”がなくなると、ズバッと何かを決める“決断力”が低下するので、新しいことにチャレンジしたいのに一歩が踏み出せない・優柔不断になりがちといった症状も見られます。
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